鬼殺隊員なのに鬼になりたい ページ3
「え、えーと…君!今、鬼になりたいって言った?」
「……。」
無言。童磨はこれを肯定と捉えた。
(えー、鬼殺隊員なのに鬼になりたいって矛盾しまくりだよ!)
童磨は数百年、鬼として生きているが今まで「鬼になりたい」等と言った鬼殺隊員は見たことがなかった。
「なあなあ、君!君は鬼殺隊員だろ?そんな君が何で鬼になりたいんだい?」
「……。」
「え、無視!?酷いなぁ!」
「酷い、酷い」言いながらも童磨は冷静にこう考えていた。
(鬼になるためには無惨様の血を貰わなくてはいけない。……「鬼になりたい」と言って無惨様のところに行く気か?)
「ねえねえ、君‼理由を教えてくれなきゃ鬼にできないよ‼だからさっ、ちゃんと答えてよ!」
「……鬼は…スゴい……。」
「うんうん、そうだね‼」
「強いし……素晴らしい……永遠に生きられる…。」
「太陽の光と日輪刀で頸を斬られる以外はね!」
(何だか小さい子の将来の夢の理由を聞いているみたいだ…。)
青年が語る鬼になりたい理由を聞いて、童磨が第一に思ったことはそれだった。と同時にこの状況から逃げる方法を思い付いた。
「ま、とりあえず!あの方と相談しとくよ‼だからその足を俺から離して?」
「……。」
フッと体が軽くなる。童磨の思惑どおり、青年は足をどけてくれた。このチャンスを逃すまいと目にも止まらぬ速さで童磨は逃げた。
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作者名:此花区 | 作成日時:2019年10月7日 22時