弱肉強食の世界で僕は捕食者である。 ① (ページ9)

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暇つぶしで美食會との対戦　ププッ、笑えるページ9

スッとAはフードを脱ぎ、戦闘態勢に入る。

「君グルメ細胞持ってるの？」
トミーが一番に目を付けたのは、耳と尻尾

『僕の事なんてどうでも良いじゃん
　それよりもさァ』

バシッ

「ッ･･」

『遊ぼうよ』
一瞬でトミーの前に移動して、蹴りを食らわした。

しかしそれを受け止めたトミー
さすが美食會

「･･」
一瞬真顔になったトミー

が

「(ニタァ)
　良い度胸だよ
　お前」
口から鋭利な牙を出し、笑った。

グルメ界に来た理由、それはただの散歩。

任務でも何でもないので、蟲を使い殺す必要もない

なのでトミーは、強そうなこの子供

ただの暇つぶし

そう思い戦う決心を付けたのだ。

間合いをとった２人

まず動き出したのは

『武装色硬化』
両手を黒く染めたAだった

トミーは別に怒っている訳でもない、まずこの子供の力を測ろうという魂胆だった。

トントン

と構えた格好のまま、軽くジャンプするA

ボクシングや空手等と言った武術を習っていたAは、ウォーミングアップにこの動きをするのだ。

次の瞬間

シュッ！！

「(消えた！？)
　グワァッ」

ドカッ

トミーでさえも追いつかないスピードで殴ったのだ。

トントントン

さっきまでトミーが居た位置でステップを踏んでいるA

ガララッ

『(ピクッ)』
岩に突っ込んだトミー

その岩が動き出し、Aの耳を擽る。

「･･･」
立上がったトミー

「これでお相子とでも言いたいの？」
口の端から垂れた血

頬にクッキリと残ってる殴った痕

シュッ

と消えたトミー

これはAも驚き目を見開く

ガブッ！！

『ウアァア！！』

ブチッと言う音と共にAの肩の部分から血が吹き出た。

ブッ

ベチャッ

と地面に打ち付けられた、己の肩の肉

『成る程』
スピードは互角

パワーは相手の方が勝ってる

ン～、なんかめんどくさくなってきたなァ

「フッフッ」
トミーが笑う

『再生』
グッと肩に力を入れると、血が止まる

「！？」
シューッという音と共に、あとちょっとで千切れそうだった関節部分が治る

「･･･」
グルメ細胞？

にしては回復が早い･･･
いやそういう能力か？

『･･』
チッ

再生は相当なパワーを使う

何時間経ったかナ

『ハァハァ』

「ハァハァ」
体力残ってない･･や･･･

大の字になって寝転がるトミーとA

どちらも服が破れ、所々に血が滲んでいる。

しかしこれは暇つぶしであって、２人とも本気ではない