弱肉強食の世界で僕は捕食者である。 ① (ページ6)

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死体処理人って呼ばれてる理由？　それはね･･･ページ6

ガブッ

『･･美味しくない』
囓ってみた肉は、美味しいとは言えない代物

しかし体力を少し削られたAはペロリとそれを平らげた。

Aにとっては泥、砂、雨すらも食材となる。

つまりはパワーとなる訳だ。

味覚が無いという訳ではない

例えば＿

牛肉と砂が目の前の皿に出されていたとする。

パワーはどちらかというと砂の方が上だ

自然に長く居たモノの方がパワー事態は上なのだ(パワー＝体力)

しかしAは迷わず、牛肉の皿を取り捕食するだろう

何故なら美味しいから、ただそれだけの単純な理由である。

Aにとっては、美味しいモノとそうで無いものの違いは勿論分っている訳で･･

人を食べていたというのには理由がある。

Aは食べた物の魂を体内に維持できる事が分かったのだ、それは＿＿を食べたときに気付いた

憎まれ、嫌われ、化け物呼ばわりされた過去

食べる物も飲む物もなくなった環境でAが口にしたものそれは･･･

地面を這っていた蟲である。

無数の足がついた蟲を掴み、咀嚼する。

決して美味くないソレを飲み込み胃に流す。

気持ち悪いという思いも確かにあったが、それ以上に

子供純粋の独特な感情

＿＿可哀想

だった。

シクシクと涙を流していた時、頭の中にイメージが流れたのだ。

それはあの地面を這っていた蟲が動いている様

普通の人間であればこう思うだろう

＿＿気持ち悪い！！

と、しかしAは少し抜けていたのか
将又それ程純粋だったのか

＿＿良かった

口角が上がり安堵が浮かんだのである。

それから何日もありとあらゆる物を食べたA

不味い物も美味い物も･･･

そしてある日気がついた

＿＿あの人達も僕の中で生き続けるのかな？

ただの純粋な疑問

しかしそれは純粋に見えて殺意にも見えた。

今まで溜め込んできた力

食べることによって吸収した力は一気に破裂し、誰彼構わず襲った。

故郷である村は潰れ、死体が残った。

グッ

と手に取ったモノは死体

ガブッ

決して決して美味くないソレを噛み、咀嚼する。

体全てを食べ終えた時に脳内に浮かぶのはその人の姿。

微笑んでいるその人の･･･

生きていてくれた事に安心とか、そんな気持ちは一切無い。

ただAは

嬉しかった･･･

今までアルビノ、悪魔の実、普通じゃ無い姿

恐れられ、嫌われ、憎まれていたのに

今自分に微笑んでいる事実

それがただ純粋に嬉しくAは村人全員の死体を捕食したのである