15歳の僕ら。 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,875 hit

11 ページ11

.

「 …あ、別に二人ってわけじゃなくて‥
何人でもいいしどこでもいんだけどさ、」

そう言った岸の顔は少しだけ赤くみえた

ふざけてるときの顔でもなく
中学の時みたいに馬鹿猿っていじられてる時の顔でもなくて‥

はじめて見る、こんな岸

「 …いいよ
いろんな人誘ったら楽しそうだし」

岸の顔がパッと明るくなる

「よっしゃ！！！楽しみになってきた！
あ、連絡先教えて」

「うん」

なんとなくわかるものだ

自分に好意のある人の行動に

岸が当てはまってしまう

『俺もそろそろ本気出さないとなって』

私の思い込みじゃないなら

さっきの岸のこの言葉の意味は________

「中学の時のやつも誘ってー
あとだれかいるかな誘えそうなやつ…
あ！廉いんじゃん！でもあいつ彼女いるからなぁ」

「あ、廉は… 」

別れたことを言うべきか

…いや、私は言わないほうがいいよね

「廉、部活忙しいかな？あとで聞いてみるわ」

廉と遊びにいきたいのは山々だけど

岸がもし、私のことを好きなら…

「あれ、A？こんなとこでなにしてんのー」

「あっ紫耀くん」

そこには右手にビニール袋、左手にアイスを持って
コンビニから帰ってきたであろう紫耀くんの姿

「こんにちはー、どっかでみたことある顔」

紫耀くんは人との距離感がおかしい

初対面の人にでも
パーソナルゾーンにずかずか入り込んでくる
けどなぜか紫耀くんなら許されるんだよね

「 …岸くんじゃん？」

「えっ…あ、あの平野先輩っすか？」

.