検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:265,288 hit

#10 ページ10

「他には…ん、日記?」


机の上に置いてあるノートにはたしかに『日記』と書かれていた。
…覗いてみるか。

『○月△日

グルッペンがとうとうあの計画を施行するらしい。
なんで俺が選ばれたんかは知らんけど。』


『○月X日

どうせすぐ飽きてまう』


『○月◇日

あいつらもなかなか悪やな。
弱らせてから…。』



「何しとるんや。」

「わお。何にもしてないです。」


思わず小説にも出ないような驚き方をしてしまう。
トントンさん怖い、ごめんなさいわざとだけどわざとじゃないんです。

トントンさんは日記を手早く取り上げ、私が読んでいたページを黙読する。
そして、冷や汗を垂らしながら尋ねた。


「他のページも見たん…?」

圧が凄すぎ、また実際見てなかったのですぐに顔を横に振った。見てないです。
すると、拳で頭を軽くコツンと殴られる。

「人の物勝手に漁ったらダメやろ!」

「す、すみません。」

侵入の疑いがかけられた時も『コツン』くらいで許してくれたらよかったのに。
風呂に入ることを促されたので、すぐにその場を退いた。

もちろん、こっちに住む予定で来てるので色々持ってきている。全くもって問題ない。

…髪濡らしたトントンさんちょっと色気あってカッコよかったな、うん。



割と広いな、風呂。
持参してきたシャンプーや、トリートメントを取り出して髪の毛を洗う。
身体も洗い、久しぶりにさっぱりした。

しかし、やはり傷口は痛む。
シャワーなんかが当たったら、激痛が伴った。
それでも声を出してトントンさんに心配されないように、できる限り声は抑えて呻いた。

我ながら頑張って尽くすことができたのではないだろうか。


ドライヤーで髪の毛を乾かすと、ほんのりと甘い香りが漂う。
髪の毛の匂いって人が嗅いだ方が強く感じられるらしい。それってどうなんだろう。
ブラシで髪の毛を解き、はらはらと落ちていった数本の髪の毛をまとめてゴミ箱に捨てた。

…なんだか1つ1つの行動に緊張する。

嫌だな、この感覚。





【トントン】

…まさか見られてないやろな。
と、何度も何度も日記を確認する。日記を見たって何の意味もないのに、無意味に無意味に続ける。

その行為がおさまると、深呼吸を1つ。
そして。



「すまんな…A。」


そっと呟いた。

#11→←#9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (324 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1220人がお気に入り
設定タグ:tn , wrwrd! , 軍パロ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜飴月/黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…!! (2019年10月8日 19時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして!好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます! (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
- 好きすぎる! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
- 夜飴月/黄泉月さん» はい!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2019年1月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。