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#27 ページ27

【鬱大先生】


「トントン。」

「は?」

グルッペンのようにトゲのある返事をしたAちゃん。
まあまあ、と手で制して呼吸を整えた。
にやけを必死に抑える。


「明日、トントンの軍服着て、見つからんように城内一周してや。」

Aちゃんからは嫌悪感が滲み出ている。
しかし、一方で頰はほんのりと赤く。…へえ、かわええやん。

「…なんでトントンさんなんですか。」

…鋭いとこつくやん。
まあ、強気で返事したったらええだけやろ。

「なんや、僕のヤニ臭いジャケット羽織りたかったん?」


何も言わずに黙り込むAちゃん。

…まさか知らないだろう、あのゲームは先攻で一定の数を言っていけば必ず勝てるということを。
可哀相に。


「じゃあ、これで。Aちゃん明日頼んだで。





…見つかってどうなっても知らんからなぁ。」

ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべてみる。


「…っ、無責任!」


ぷぅっと頰を膨らませて訴えるAちゃんがどうしても可愛く見えてしまい、余計に期待が高まった。
もう、試合には勝ってしまった。あとは、勝負に勝てるかどうか…。

ま、この感じやと完勝やろ。

自分だって、彼シャツ姿の女の子なんかみたら襲いたくなる。…え、それは俺だけ?そんなこと言わんといて…!

いつのまにか、Aちゃんは挨拶を済ませて席を立っていた。

自分はと言うと、少ししか手をつけていないスープをすすっていた。



【A】


明日が憂鬱で仕方ない。最悪、最悪だ、もう。
なんでよりによってトントンさんの軍服を…!
周りの人たちに、変な気があると思われたくない。

…つまり、私が見つかるべきではない相手はトントンさんだけではない。


この国の幹部やメイドら、全員だ。


「…はっ、無理ゲー。」


失笑。
これに尽きる。

しかも、見つかったら確実にトントンさんに怒られる…!!勘弁!!勘弁願う!



…『トントンさん』で、ふと、思い出した。

トントンさんは前に徹夜してまで仕事をしていたが、自分は何か手伝えないか、と。
これは、住まわせてもらっている身としての細やかな恩である。

…しかし、仕事の仕方…要は、書類の処理の仕方がわからない。
トントンさんに聞いても時間を割くだけだし…。



「…我らが総統様に聞いてみるか。」

そんな適当な呟きをし、総統室へと足を運び始めた。

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作品ジャンル:恋愛
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…!! (2019年10月8日 19時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして!好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます! (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
- 好きすぎる! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
- 夜飴月/黄泉月さん» はい!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2019年1月18日 20時

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