【w.r.w.r.d.!】燃ゆる思ひを【短編集】

犬【sha】 ページ6

「お前犬みたいやなぁ。」


ふと、そんなことを彼女のAにもらす。

今日は俺の家に上げて、だらだらと過ごしていた。

なんだか、いつも甘えたさんなところとか、何か物をあげるととても喜ぶところとか。

雰囲気もどこか犬っぽさが漂う。

しかし、Aはぷいっとそっぽを向く。


「シャオちゃんもだよ。」


「…？そうかなぁ。」


そう答えてみるが、彼女はそっぽを向いたまま。

『そんな拗ねんなって』と背中から抱きつく。

すると、前に回した俺の手で遊び始める。

交差させたり、叩かせたり。

そんなところも愛くるしい。


「Aに首輪つけて飼ってみたいな。」


「そしたら手、噛みちぎるよ？」


『ぐるるる』と低く唸ろうとしたようだが、キャンキャン吠えているようにしか聞こえない。

頭をゆっくり撫でてやると、そんな挑戦的な目も和らぐ。

そして、こちらにやっと、体重をかけた。


「シャオちゃんって本当にうまいよね。」


「…なにが？」


「私を飼うのが。」


そんなことを言ってTwitterを巡回するA。

…。


「Twitterもええけど、こっち見てえや…。」


スマホを取り上げると、自分のツイートにいいねをしてくれていたことを確認する。


「シャオちゃん私のスマホ見ないでよ、恥ずかしいって。」


自分の携帯を覗かれることに照れを隠せずにいるA。

そっとキスを落とす。

触れるだけの優しいキス。


「んっ…いきなりはずるい！！」


「そうキャンキャン吠えんといて、A。」


近くにあったソファに優しく押し倒す。

Aの視線が少し揺らぐ。


「優しくするから、噛みつかんといてな…？」


そっと耳打ちすると、彼女の顔はほんのり赤く染まった。


「そっちこそ。」


ごもっとも。

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