【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

＊ ページ37

首に顔をうずめるトントン。

髪の毛が擦れてくすぐったい。


「なにビクビクしとるん…襲うぞ？」


『おまっ…トントン酔うと下ネタ出るの悪い癖！』


「ちゃうって、これはAが好きっちゅうあらわれやねん。酔ってへんって！」


２人とも揃いも揃って好き好きって…！！


『そ、そういうのは嘘でもよくないと思うよ！』


「嘘とちゃうって。なあ、グルッペン。」


「当たり前だぞ。俺らは…な？」


『あっいや…。』


２人で大きく笑う。

笑えねえよ！！


「なにあたふたしとるん？」


「そういうところだぞ…自重しろ。」


『だからお前らが自重しろって！！わ、私だって２人のこと嫌いじゃないし…好きだけどさあ…。』


「え？今なんて？」


『黙れよマジで、滅べっつったの！！』


２人がニヤりと笑みを浮かべ続けるのが、全て見透かされているようで…。

ダメだ、私まで酔ったら朝起きた頃には拘置所。

…私がしっかりしなければならないときがくるだなんて。

そのあと、酔っ払って絡んでくる２人を上手く対処しながら、終電ギリギリで間に合い、家に帰った。

もう…明日大学だってのに…！

ベッドに寝転んだ瞬間、開放感と疲労からか、すぐに眠ってしまう。

それは２人も同じようだった。




目がさめる。

時計を見ると、もう７時を回ろうとしていた。

慌てて起きると、トントンがいつものようにご飯を作ってくれ、グルッペンはスーツに着替えていた。

…昨日あんなこと言われてどんな顔で会えばいいんだよまったく。

しかし。


「おはよう…お前顔赤いぞ、熱でもあるのか？」


「せやなあ…。」


普通に話しかけてくる２人。


『だ、だってそれは！！２人が…昨日あんなこと言ったから…。』


「ん？なんのことや？」


「夢でも見てたのでは？酒は飲んでも呑まれるなっていうだろ、気をつけて。」


え、夢？

そっか…これは夢だったのか…酔っていたのは私の方？

そう考えると、より恥ずかしくなり、顔がますます赤くなる。


『へ、変な夢みさせやがって！！やーい、ばーか、ばーか！！』


そんな捨て台詞を吐き急いで準備をすませると、私は早めに大学へと向かった。

やばいな、あんな幻覚見るとか、とうとう私も末期か。





「…夢だったらよかったのにな。」


「ほんまに。酒に呑まれないようにするのは俺らの方や。」


２人が悔しそうに、恥ずかしそうに、それでいてどこか嬉しそうにそう語っていたことは知る由も無かったのである。

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