風邪 ページ12
だっるい…。
そう感じたら私はすぐに体温を測っている。
38.1℃…。
『喉の風邪、熱の風邪?』
「狙い撃ち。」
プシャァーッ。
じゃなくて!
どうやらわたくし風邪をひいてしまったらしいです。
「どうした?」
『なんか風邪ひいたっぽい…最悪。』
「はえーっ、バカは風邪ひかないってあれ嘘なんやな。」
『嘘なわけあるかお前らバカだもん…滅べ。』
少し苦しくなる。
でもあまり弱いところは見せたくないから強気で。
やーい、ばーかばーか。
「いつもの《滅べ》に覇気がない。トン氏、これは本当に風邪かもしれん。」
『だあかあら!そうだっつってるでしょうが!!…ゲホッ、ケホッ…。』
噎せると、何故か背中をさすってくれるグルッペン。
優しいやないかい。
もっとバチバチ叩いてくるかと思ったのに。
「まあ、とりあえずベッドに横たわって休むのがええと思う。」
いつにも増して真面目な顔でベッドに連れて行ってくれるトントン。
えっなになに…。
『怖いんだけど。』
「は?何が。」
『その…なんか優しいっていうか…。』
「…体調悪い時くらい黙って言うこと聞いてろ。」
そう言って不器用に布団をかぶせるグルッペン。
…夢でも見てんのかな。
とうとう熱が上がりすぎて幻覚が…?
トントンの姿はいつのまにか見えなくなっていた。
そう思ったのだが、鍋を両手に歩いてくる。
えっもしかして…。
「おまたせ、粥作っといた。」
「ナイス。」
…ちょ、泣いていいですか?
いつもは散々人のことチビだとか彼氏できないだとかバカにしてくるくせに…。
『あのさ…。』
「ん、なんや?」
『ありがと。まさか、2人がこんなにやってくれるなんて思ってもいな…。』
言葉は途中で遮られた。
「ああ、ちゃうんや。俺のおかんからさっき電話入って、Aが風邪ならちゃんと看病せえって言われたから仕方なく…。」
ん?いまなんて?
「お前のことだからどうせ薬なんてなくても治るだろ。」
…。
『滅べこの感情のないロボット共がぁぁぁ!!!』
そう叫んで粥も食べずに毛布にくるまった。
あーあ、そんなことだろうと思ってた。
2人があんな自主的に私のために色々やってくれるなんて思わないもん。
…あれ、でもなんでトントンのお母さん私が風邪だって知って…?
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - 有さん» 了解です。私も最近この小説が恋しくなってきた頃なので、今書いているtn小説が終わったら続きだします!! (2019年3月16日 12時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
有 - よし。続編出しましょうそうしましょう。てか出してくれるのを期待します最高です。ら (2019年3月14日 20時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 夜櫻さん» コメントありがとうございます。こちらこそ、リクエストいただいて本当に嬉しかったです!楽しみにしていただいていることを糧に次作も頑張ります! (2018年11月24日 0時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
夜櫻 - 夜飴月/黄泉月さん» お疲れさまでした!最後にツンデレ書いて頂きすごく嬉しかったです♪『何を書くか』それは私がつっこめることではないのですが次作も楽しみにしてます! ありがとうございました! (2018年11月24日 0時) (レス) id: c67cff5c66 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - シロ(shiro)さん» コメントありがとうございます。残念な思いをさせてしまい、すみません…別作品も読んでくださっていて、本当に嬉しいです。応援ありがとうございます! (2018年11月22日 23時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2018年10月23日 20時