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雷鳴 ページ47

ベッドの中、耳に大きな刺激を感じて飛び起きる。

外からは雨の音とともに雷鳴が響き渡っていた。

…雷か。

私は昔から雷が苦手だ。

今にも落ちるんじゃないかと考えると、恐ろしくてたまらない。

2人は…起きてるかな。

急に心配になり、2人の寝室へと向かった。


「あっ、ほら来た。」


ドアを開けると、2人は珍しく布団を2つ隣り合わせに広げてあぐらをかいていた。

ほら来たって…。


「お前がどうせ来ると思って、布団にしてん。ほら、いつもみたいに真ん中来るやろ?」


そう言ってシーツをポンポンと叩く。


『…いつもは余計。』


見透かされていたのが悔しくて戻ろうとするが、ピシャァッという音が聞こえてすぐに2人の間に入る。

そして、3人で寝床へと入った。

安心感はあっても、雷の音は止まることを知らない。

1つ1つの音に敏感に反応し、体を震わせて丸まる。


「ああっ、もうこっち向け!」


そんな声がしたかと思えばグルッペンの布団の方に引き寄せられてキスをされる。

しかも、今までされたことがないくらい激しい。

いや、そんな言葉じゃ足りない、乱暴だ。


『ちょっ…バ…カ…!!』


そんな言葉を漏らしても無駄なようで、次の雷が鳴るまで…まあ、数十秒間そのままだった。

そして、離れる時には少し悔しそうに呟いた。


「《俺の布団で》寝るのに雷なんかに気とられるんじゃないぞ…。」


なるほど、雷に気が向かないようにしたんだ。

やっぱりグルッペン、なんやかんや優しい…わけないじゃん!!


『何言ってんの!?だ、だからってキスとか…やめて!!』


絶えず鳴り響く音に驚きつつ注意しても、説得力に欠けている。


「それよりも俺はグル氏の《俺の布団で》が気になるんやけど…ほら、Aこっちや。」


トントンの声が背後で聞こえた瞬間、反対側に引き寄せられ、後頭部を掴まれる。


「俺のキスの方が好きやもんな?」


ニィっと妖しげな笑みを浮かべてキスをされる。

しかし、今度は打って変わって、とても優しい。

頭でも撫でられているかのような…っ!!

やっぱりそんな中でも雷のせいでビクンと跳ねる。

すると、すっと離れて笑う。


「お前、雷くらいでビクつきすぎやって。何が怖いん?音?」


『うん、まあ…って、いきなりキスすんな!どっちのキスの方がいいとか悪いとか言ってないから!』


「…トン氏の方が好きなのか?」


「Aは俺の布団で寝るんで。」


な、なに争ってるんだよ!

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夜飴月/黄泉月(プロフ) - 有さん» 了解です。私も最近この小説が恋しくなってきた頃なので、今書いているtn小説が終わったら続きだします!! (2019年3月16日 12時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
- よし。続編出しましょうそうしましょう。てか出してくれるのを期待します最高です。ら (2019年3月14日 20時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 夜櫻さん» コメントありがとうございます。こちらこそ、リクエストいただいて本当に嬉しかったです!楽しみにしていただいていることを糧に次作も頑張ります! (2018年11月24日 0時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
夜櫻 - 夜飴月/黄泉月さん» お疲れさまでした!最後にツンデレ書いて頂きすごく嬉しかったです♪『何を書くか』それは私がつっこめることではないのですが次作も楽しみにしてます! ありがとうございました! (2018年11月24日 0時) (レス) id: c67cff5c66 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - シロ(shiro)さん» コメントありがとうございます。残念な思いをさせてしまい、すみません…別作品も読んでくださっていて、本当に嬉しいです。応援ありがとうございます! (2018年11月22日 23時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2018年10月23日 20時

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