【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

２人きり ページ45

ある日、いきなりグルッペンの部屋に呼び出される。

…なんかしたっけ？

そう思った瞬間、グルッペンは口を開く。


「最近…トン氏と２人きりのことがおおいぞ。」


『そう…かな？』


まあ、今さっきもトントンに論文の書き方教わってたし。

たしかに２人きりっちゃあ、２人きりだ。

しかし、そんな言及されるようなことはしていない。


『なに、もしかして嫉妬してんの？』


少しニヤッと笑って見下してみる。

あっ、身長的には無理だけど態度ね、態度。

すると、グルッペンは少し顔を赤くして否定してくる。

やばっ怒ってるなこれ…！


「トントンに嫉妬とかありえないだろ。…だいたい、２人で何してたんだよ。」


ぐいっと睨まれる。

なんだかこのまま言ってしまってもいいけど、それだとつまらないのでもう少し泳がせてみることにした。


『…グルッペンには関係ないでしょ。』


ほーら、恋愛漫画の修羅場でのお決まりのセリフ。

グルッペンの顔はますます嫌悪感でいっぱいになっていく。

終いには私の顎を掴み、自分の目線に合わせる。

待って…待って！


『暴力、ダメ、絶対！！』


「なに言ってんだ。暴力は最高の言語(ランゲージ)だよね！」


ニッと笑顔を向けられるが、本心の笑顔に見えず震える。


『わかった…わかったから。』


とうとう降参し、トントンには論文の手伝いをしてもらっていたことを打ち明けた。

それでも、グルッペンの顔の重苦しさは変わらない。


「…なぜトン氏とする必要があったんだ？」


え？うーん…。


『近くにいたから無理やり。』


ポン、と答えるとグルッペンは拍子抜けしたのか。

大きな声で短い時間笑い、私の背中をバンバンと叩いた。

…いや、痛いんですけど！？


「わかった。まあ、これからはトン氏だけじゃなくて俺にも頼るんだぞ。」


『う、うん。ありがと。』


え、なんか結局なんで呼び出されたのかよくわからん…。

部屋から出ると、目の前が何かに塞がれる。

反射的に上を見ると、これまたこちらを睨みつける影。


『と、トントンさん。何か御用ですかね？』


「とりあえず…こっちこい。」


そう言ってトントンの部屋に手を引っ張られる。

…待てよ、これって。


「なんで最近…グルッペンとばかり２人きりなんや…。」


いや、お前もかーい。

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