【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

HoI! ページ21

雨の降る休日。

こんな日は“Hearts of Iron”通称“HoI”を３人で楽しんでいる。

私はアメリカ、グルッペンはドイツ、トントンはソヴィエト。

朝から始めて夕方、ようやく残り三国になった。

面白いことに、３人とも空気を読み合うかのように、互いに宣戦布告をしなかった。


『…攻めたいけど怖い。』


「お前米帝様とはいえ来たら殺すからな。」


グルッペンの威嚇に笑って答える。

膠着状態が一番嫌いなんだけどなあ…。

しかし、隣でパソコンを睨んでいたトントンが私の背中に手を当てる。


「大丈夫…お前ならできる。」


『トントン…。』


なんとなく背中を押された気がして。

“宣戦布告”

画面に浮かび上がった文字。

そして。


「ウェッへへへへ！！」


聞こえた声…ん？

再び画面に目をやると、ドイツのみならず、ソ連までアメリカと戦っている。

どうしてですかねえ！！


『はあ！？なんでそっち組んでんの！？ありえない！！』


「バーカバーカ！俺がそんな簡単にグルッペンとの戦争を勧めるわけがないやろ！」


「よおし、徹底的に米帝を潰しにいくぞー！」


Oh my god !!!!

発狂する。

なんでよ、イイハナシダナー状態だったじゃん！！

…こ、こうなったら最終手段。


『と、トントンさん？』


「おん？なんや。」


『和平…どうでしょう？』


こうなったらどっちかと和平条約結ぶしか無いッ！

「わかった。」と無気力に答えるトントン。

しかし、言葉は「ただ…」と続く。


「“和平交渉結んでくださいソ連様”は？」


…。


『グルッペンさん、和平結びません？』


「ははははは！！遂に此方に縋り始めたか、哀れな奴め。もちろん答えはNoだが。」


こいつら調子に乗りやがって…！

こんな言論を交わしている間にも、どんどん師団が死滅していく。

あぁ…私の宝が！！


「いやーっ、グル氏との一騎打ち楽しみやな！」


『待ってやめて捨てないでえ！！！』


「そういえば、最下位の奴はケーキを奢るんじゃあなかったか？」


『勝手にルール盛り込むなァァァ！！』


混沌(カオス)な展開。

しかし、結局私はプライドが持ちこたえられなくなるのでトントンに和平を望むのをやめたところ、秒で滅ぼされた。

そのあとは、AI的な早さで画面を転換していくグルッペンが世界征服を果たした。



１つわかったことは、この２人を同時に相手として挑んではならないこと、これ絶対。

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