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『それにしても本当に久しぶりだね!』
フラペチーノを飲みながら話す。
やっぱバニラフラペチーノ最高。
「まさか同じ大学やったなんて…。こんなことってあるんやな。」
楽しく談笑を続ける。
彼は私と違ってとてつもなく頭が良さそう…というか、いい。
しかし、少年の日の思い出のエーミールとは違って、こっぴどい批評家でもなければ冷淡でもない。
すごい接しやすい。
もう少しで帰ろうか、という話になり、また会いたいなあなんて考えたときだった。
『…!この匂い、まさか…。エーミール、姿勢かがめて顔を隠してっ!』
「えっ…ええ?」
困惑しながらも少し顔を俯かせるエーミール。
この匂いは絶対に…。
「…ここにいるはずなんやけどなあ、GPSの反応的に。」
「それ壊れてるんじゃね?」
なにGPSつけとるんじゃトントンんんん!!
やっぱりグルトンだったか、そうだったか!
そうか、そうか、つまりお前らはそういうやつなんだな知ってたよ!!!
無言でスマホの電源を切る。
これでもう辿れなくなるはず…。
「あれ、反応が消えた。ほんまに壊れとるんかな…。残念やわ。」
なにが残念だ。
しかし、こういう時に限って勘のいいやつが1人。
「…いや、いる。このタイミングでいきなり切れるのはおかしいからな。しかも俺らの話が聞こえるほど近く。…へへっ。」
んー?なにかな、最後の笑いは。
怖いね!
しかし、そのときにエーミールが思いもよらない行動を起こした。
「…あれ、すみません。この人の知り合いですか?」
「…!え、ああそうです。」
え、ええええエーミール?
動揺が隠せずにあたふたする私を見て彼らは笑っ…。
いや、違う。
エーミールの方を向いて笑っている。
え、まさかバトルロワイヤル!?
なにが起こるのかと心配になっていたとき。
「お前…エミさんやん!!」
「えっ…あっ!!」
「やっぱトントンさんとグルさんやんな、うんうん!!」
ああそうか。
そういえばこいつらも一応幼馴染だし、知らないはずがないのか。
心配して損した!!
とりあえず…。
『久しぶりに再会したんだし、3人でゆっくり飲みにでも行って来なよ!じゃあ私はこれで…。』
店を出ようとすると、重い手が肩に乗る。
「…俺らから逃げようとしたことに関しては、後でみっちり反省してもらうからな。」
ああ、怖い怖い。
そろそろ家出したほうがいいかもしれない。
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - 有さん» 了解です。私も最近この小説が恋しくなってきた頃なので、今書いているtn小説が終わったら続きだします!! (2019年3月16日 12時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
有 - よし。続編出しましょうそうしましょう。てか出してくれるのを期待します最高です。ら (2019年3月14日 20時) (レス) id: 3b3f8a8c71 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 夜櫻さん» コメントありがとうございます。こちらこそ、リクエストいただいて本当に嬉しかったです!楽しみにしていただいていることを糧に次作も頑張ります! (2018年11月24日 0時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
夜櫻 - 夜飴月/黄泉月さん» お疲れさまでした!最後にツンデレ書いて頂きすごく嬉しかったです♪『何を書くか』それは私がつっこめることではないのですが次作も楽しみにしてます! ありがとうございました! (2018年11月24日 0時) (レス) id: c67cff5c66 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - シロ(shiro)さん» コメントありがとうございます。残念な思いをさせてしまい、すみません…別作品も読んでくださっていて、本当に嬉しいです。応援ありがとうございます! (2018年11月22日 23時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2018年10月23日 20時