誘い文句 ページ17
瑠「ごめんごめん!!あったよ!」
そう言って駆けてくる瑠美。
すると、グルッペンは踵を翻し、瑠美の来た出入り口から出て行こうとする。
去り際にこんな捨て文句を吐いて。
gr「俺はいつでもAのことを食える自信があるぞ。」
その言葉の意味がよくわからなかった。
油断するな、或いは覚悟しておけだろうか。
瑠「あれ、今のって生徒会長じゃん。おしゃべりしてたの?」
『…いや、特に何も。』
「ふうん、そ。」と言って早めに会話を切り上げる瑠美。
こう言う無関心なところ、助かる。
こんな話をしている間にも、どんどんいろんな人がステージ上で芸を見せ、それに合わせてステージ下は盛り上がっていた。
食う…か。
物理的な意味…なわけないか。
だとしたら、身体を蝕まれて精神的に侵されるってことなのか…。
国語学年1位の頭で考えてもさっぱりわからないとは、さては日本語じゃないな。
…そうであってほしいと信じたい。
少し震える手をそっと握った。
瑠「花火まではいられないなぁ…。」
『え、花火?』
いきなり発せられたその言葉に対して呟く。
瑠美は、人を小馬鹿にしたような目で見てきた。
…なんだよ。
瑠「まさかA知らないの!?ほら、今年校長が奮発して花火打ち上げるって言ってたじゃん!」
7時から、と言ってパンフレットを開く瑠美。
たしかにそこには打ち上げ花火の文字が。
そんなところに金を使う暇があるなら、剣道場にクーラーをおいてくれ。
半分くらい本気。
…でもそっか。
『瑠美がいられないなら私も帰るか。カップルだらけの中で1人花火も虚しいもんな。』
ポツリと放ったその言葉は、ギター音とドラムの振動でかき消されたのかもしれない。
瑠美は何も答えなかった。
と、そのとき。
tn「おっ、見つけた。」
巨人が現れる。
…ああ、トントンか。
でも、小人も一緒だ。
rb「今絶対失礼なこと考えたやろ…。」
勘のいいガキは嫌いだよ。
と、瑠美も少し嬉しそうにしている。
まあ、生徒会役員が2人もいるんだから、普通の反応だ。
…周りの女子もきゃーきゃー騒いでるし。
『…なに。』
そう問えば、トントンはわざわざかがんで視線を合わせた。
彼の子供扱いは止まないらしい、迷惑だ。
tn「今日の花火一緒に見ようぜって言いにきただけや。」
その言葉だけで周りからは悲鳴が漏れる。
トントンの誘い文句、そして嫉妬からか。
やめてくれ、やめてくれ…。
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - れなさんさん» コメントありがとうございます、頑張ります! (2019年2月17日 17時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
れなさん - ありがとうございます!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年2月17日 12時) (レス) id: 333c350adf (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - れなさんさん» コメントありがとうございます。全然大丈夫ですよ!それくらいならパクリの域には入りません。気軽にどうぞ! (2019年2月16日 21時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
れなさん - いつも閲覧させてもらっている者です!この作品すっごく面白くて大好きです!!お聞きしたいのですが、私、新作を書こうと思っていまして、強気だけど耳とかが弱いって夢主ちゃんにしたいのですがお借りして宜しいですか? (2019年2月16日 20時) (レス) id: 333c350adf (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - イムさんさん» コメントありがとうございます。応援ありがとうございます、頑張ります! (2019年1月21日 21時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2018年10月22日 19時