採点 ページ42
…やばい。
このままでは９割取れないかもしれない。
教授の方をチラリと見ると、水筒に入っているであろう茶を飲みながら、読書をしていた。
…優雅なものだ。
と、目がパチリと合うとニヤリと笑う。
まるで、「難しいでしょう？」とでも示唆するかのように。
ああ、はいはい、難しいですよ。
とっても。
何度も見た問題。
トントンをはじめとした皆が一生懸命教えてくれた。
…彼らの期待まで裏切ったら…。
背筋が凍る。
しかし一方、頭の回転が速くなる。
たしかにトントンのいう通り、第二次世界大戦の問題が多いように思える。
頭を整理して、解ける問題だけ解く。
一度深呼吸をし、瞬きをする。
答えがわかる。
わからない。
わかる。
わかる。
わからない。
わからない。
わかる。
わかる。
わかる。
一つ一つの問題を分析していき、導かれた答えを空欄…解答欄に書いていく。
全て書き終わった時だった。
チチッチチッ
機械音が再び響く。
em「そこまでです…さて、少し難しかったですかね。」
そう言って紙をわたしから取り上げる。
しかし、一瞬見て目を見開いたのを見逃さない。
em「…君も結構勉強したんやな。」
『死に物狂いだったので。』
色々な意味で。
しかし、笑う教授は決して嬉しそうではなかった。
むしろ、残念そう。
em「採点…今済ませてしまうので、少し待っていてください。」
心臓の鼓動が速くなる。
９０点。
いや、きっと今の私なら…。
でも！フラグを立てるのは実に良くない。
教授の採点が終わるのにはそう時間はかからず、わずか５分ほどの短い時間だった。
『教授、結果を。』
「教授って呼び方変わらんのや…」と呟いてから咳払いをする。
em「…９０点。」
『え？』
em「おめでとう、９０点です。」
疑う気持ちしかない。
もしかしたらここで「嘘でした！」なんてオチが…。
いや、無い。
返ってきた答案を見て確信する。
思わず震える声で喜んだ。
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2018年9月28日 14時
