３９秒前 ページ11
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「ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
「食器は私が洗うよ」
「え、いいよ。座っ…傑、」
私から食器を取り上げた傑はそのまま台所へ。
ついて行くと、腕捲りをしてスポンジに洗剤をつけてさっさと食器を洗おうとしている。
「もう私が洗うから諦めて」
「…ありがとう、」
「素直でよろしい」
「傑は本当に優しいね」
「Aにだけだよ」
「えー嘘だぁ」
「本当さ。君以外に優しくする意味なんてないからね」
目は食器に向けたまま、笑う傑の横顔があまりにも綺麗で。
「…A？」
思わず傑に抱きついてしまった。
「あー…」
泡を洗い流しながら困ったような声を出す傑。
そして私はここが傑の部屋で、傑と2人きりなんだと思い出し、自分の行動がどれほど浅はかだったか、酷く後悔した。
「本当に君は悪い女だね」
手を拭き、私の腰に腕を回すから身動きが取れない。
「…や、これは…その、」
身を捩れば捩るほどキツくなる腕の力。
「私を試しているのかな」
「そ、っ…そんなんじゃ…」
傑から逃れたくて顔を背けると耳元に口が寄せられ、
「…私がどれだけ我慢してるか知ってるくせに」
と、吐息混じりに言われ体の力が抜けてしまう。
「おっと、」
そんな私を落とすまいと更に強くホールドされ、もう逃げられない、と諦めかけた時。
pipipi...
pipipi...
「…チッ、」
重たい舌打ちをした傑。
「電話、でないの…」
「…今を逃すとまた先になりそうだからね」
「…で、でも、任務とか、急ぎの用だったら…」
「…」
少し考える素振りを見せ「…まあ、確かにね」なんて心の籠ってない声で呟き、渋々といった感じで私の腰から腕を離した。
私に背を向けて緩慢な動きで携帯が置いてあるテーブルまで歩いて行く姿を見届けて、気を抜いた瞬間。
「…っ、」
床にへたり込んでしまう。
「…」
"『…私がどれだけ我慢してるか知ってるくせに』"
「…わかってる、」
「わかってるんだよ……」
鼓動が早くなり、
しばらくは立ち上がれそうにない。
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カケオレ(プロフ) - おめでとう夢主ちゃん。夏油と幸せになってくれ (7月22日 10時) (
レス) @page50 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
加穂(プロフ) - 始めまして。こちらの作品読ませていただき夏油傑がもっと好きになりました！続きを読ませて頂きたいのですがパスワードを教えて頂いてもよろしいでしょうか？ (7月15日 22時) (レス) @page50 id: 45a8770aec (このIDを非表示/違反報告)
モモ - こちらの作品読ませていただきました！すっごく面白かったです！パスワード作品も読んでみたいのですが、教えていただきたいです！ (2023年4月30日 23時) (レス) id: fdeb613541 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こちらの作品を読んで傑が更に好きになりました！ありがとうございます😭好きすぎて何度も読み返してしまいました😭過去の作品も読んでみたいのですが、パス教えていただけないでしょうか？🙇♀️💦 (2023年2月26日 17時) (レス) id: df988bb267 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 天才…ありがとうございました…！！ (2022年11月12日 23時) (レス) @page50 id: 6ec9f3ee23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七
| 作成日時：2021年5月3日 20時
