霞柱の姉は水柱に夢中 弍【鬼滅の刃】

第八十二話 ページ35

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「義勇さんにとって私ってなんですか？」







…なんですかと聞かれても。






「時透A」


「時透Aという一人の人間」





それ以外に何がある。





「…」



…何故悲しい顔をするんだ。





「…本当にそれだけ、ですか？」


「ああ」


「……そうですか」


「…」


「もう遅いので帰ってください…態々来てくれてありがとうございます、」


「いや、俺は訓練に付き合う約束で」


「もういいですから」


「A、」


「本当にもういいですから、早く帰ってください、」






目だけでなく、体までも俺から完全に逸らしてしまったAはもう話をするつもりはないらしい。






「言わないとわからない。何が不満なんだ」



「…ほんと、もう帰ってください」



「A」



「お願いです、」



「…」



「帰ってください」








──────
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「それでほんとに帰ってきたのか？」


「ああ」


「本当に地味な野郎だな」





屋敷に戻ると宇随が酒を飲みながら俺の帰りを待っていた。誰かと話す気分になれないから帰ってほしい。





「やっぱりAには派手でイカしてる宇随天元様じゃねえと駄目だな」


「それは駄目だと言っているだろう」


「お前に止める権利はねえだろ」


「俺は、」


「お前にとってAは"時透Aという一人の人間"でしかねえんだろ？だったらお前に止める権利はねえっつってんだよ」


「…」


「俺にとってAは"最高にイカしてて派手で俺の嫁にしたい女"だからな」


「…」


「冨岡、お前は引っ込んでろ」







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