第七十六話 ページ28
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いつも、どこか寂しそうな義勇さん。
いつも一人でいるから寂しそうとか、そういう話ではなくて。
同じ場所にいても、同じ場所にいない。
会話を交わしても、会話をしていない。
目が合っていても、目が合っていない。
「義勇さんがひとりぼっちにならないように私がずっと傍にいます」
「嫌がられても離れてあげません」
「…だから、そんなに悲しい顔しないでください」
「…俺は」
「俺は、別に悲しくない」
ううん、気づいてないだけ。
気づかないようにしてるだけ。
「義勇さん、」
「何も悲しくない」
「…」
「A、お前はまず自分の体を第一に考えろ」
私とは目も合わせずに立ち上がり、病室を出て行く義勇さんを止める言葉はどこにもなくて。
私の心に寂しさだけが残った。
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「ツヤツヤのどんぐりだ！！受け取れ子分！！！」
「…ありがとう」
「ガハハハ！！親分が子分を気遣うのは当然だ馬鹿野郎！！！」
暴れ回る伊之助は任務がない日は毎日と言っていいほどツヤツヤのどんぐりを持ってくる。
ベッドの隣にある机にはどんぐりの山。
「伊之助、」
「なんだ子分！！！」
「私の名前はAだからね。子分って呼び方やめてね」
「あﾞぁﾞん！？春千代！！？」
「春千代って誰なの！？」
「お前だろうが！！！」
「私はAだってば！！！」
「春枝！！！」
「だからそれは誰なの！？」
「だからお前だろ、っぐぇっ！！？」
突然変な声を出した伊之助の首根っこを掴むのは、最近やっと見慣れてきた派手な眼帯の人物。
「嘴平、お前は本当に落ち着きがねえな」
「おい！テメェ！離しやがれ！！！」
バタバタ暴れる伊之助を言葉通り向こうに放り投げ椅子へ腰掛ける。
「どうよ、調子は」
「来週には機能回復訓練に入れそうです」
「そりゃ良かった」
……私の返事を聞き、ニタァと笑う宇随さんが次に発する言葉はもう聞き飽きた。本当に聞き飽きた。
「…で、決心はついたか？」
「……宇随さん、それ言う為だけに毎日来てますよね。暇なんですか」
「最近の新人は鍛えがいがなくてな」
「じゃあ雛鶴さんたちとお出掛けでもしたらどうですか…」
「お前を誘惑する方が先だ」
はぁぁぁ〜…、と深い、深ぁぁぁい溜息が漏れる。
「だから、私は結婚しませんって」
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おもち(プロフ) - めぐさん» めぐさん！コメントありがとうございます！勿体なさすぎるお言葉です(T_T)ありがとうございます！！ (2020年12月14日 8時) (
レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - you 1995121さん» 本当にいつもありがとうございます(T_T) (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 更新お疲れ様です。読みやすく軽快で、かつ内容も面白い文章に虜です。頑張ってください。 (2020年12月4日 22時) (レス) id: 5c4bbb7c0c (このIDを非表示/違反報告)
you 1995121(プロフ) - 更新お疲れ様です！！最終巻ともにドキドキしながら読みました！！最後まで駆け抜けてくださいっっ！！楽しみにしてます (2020年12月4日 21時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん初めまして！コメントありがとうございます(^-^)！キューンとしてくださいましたか…！？あまりにも嬉しいお言葉に目から汗です(T_T)是非最後までお付き合い宜しくお願い致します！ (2020年12月3日 0時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おもち
| 作成日時：2020年11月16日 15時
