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第九話 ページ10

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庭から姿を見せた義勇さん。



「声をかけたが返事がなかった」



ああ、だから庭から………

って、そうじゃなくて…!



「あ、あの…本当にすみません…私がお屋敷に伺う予定だったのに…」

「……怪我をしたと聞いたが、右腕か?」

「…恥ずかしながら、はい……で、あの義勇さん」

「手当ては?」

「え、あ…手当ては私が寝ている間にしのぶが済ませてくれて…」

「そうか」



せめて顔だけでも洗いたいのに今日に限って義勇さんが饒舌だ。



…とりあえず上がってもらおう、


「義勇さん、あの、とりあえず上がってください…私は少し外しますので…」

「どこへ行く」

「…顔を洗いたくて、」

「その腕で?」



義勇さんの視線が私の右腕に刺さる。

その視線を辿って私も自分の右腕に目を落とす。



「あ……」


思ったより手厚く処置されているみたいだ。


「だ、大丈夫ですよ!腕上がりますし!」

「…全く上がってないように見えるが」



…確かに痛む、痛むけど顔を洗うくらい出来る。

何故そこまで執拗に聞いてくるの…
いつもなら『そうか』で終わる筈の会話…



「顔はいいから座れ、体を休めろ」



少しは察してほしい、と言うのは無理な話…

義勇さんのような不器用な人に女心を理解しろなんて、今日明日で医師免許を取得しろと言うのと同じことだ。




「本当に大丈夫なので、ほんの少しだけ外しますね」




何度でも言うけど、今日に限って饒舌な義勇さんに背を向け洗い場へ足を進める。




蛇口をひねり水を出して、手を濡らす。

夏の頃より幾分が冷えている水に秋の訪れを感じる。



「冬はもっと冷たくなるな…」


両手いっぱいに水を貯め、それを顔につけると居間の方からいなかった筈の無一郎の声が微かに聞こえた。






「どうしてここにいるかは知らないけど、早く帰りなよ。冨岡さん」






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シロヌコ(プロフ) - 無一郎の姉を取られたくないと抵抗するのが年相応の子供っぽくてとっても好きです (2022年9月19日 1時) (レス) @page11 id: 5f3cb32639 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 勒城さん» コメントありがとうございます(^-^)!晴彦は長男なので夢主のことを守って上げねば!と思ってます、可愛いです(^ー^)vありがとうございます!!! (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
勒城(プロフ) - はるひこ口悪いのめっちゃ好きですwwwwこれからも頑張ってください! (2020年12月6日 3時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Raiさん» Raiさん!コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまい申しわけございません(T_T)よくわからないのですがURLを貼り付ければ良いのでしょうか?参加させていただきますね(^-^) (2020年11月20日 3時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 「あなたの小説読ませて下さい。」「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」やり方はそのままペーストに画面通常検索など出て来ると思います。 (2020年11月17日 20時) (レス) id: 5708791899 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち x他1人 | 作成日時:2020年10月29日 0時

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