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第二十七話 ページ28

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水柱邸、

思った通り殺風景な屋敷だ。



本当に必要最低限のものしかない。







「義勇さんは普段ここで稽古を?」

「ああ」

「今度私と手合わせしてください」

「ああ」

「言いましたからね、男に二言はなしですよ」



私の言葉に振り返った義勇さん。



「よく喋るな」

「……」



……そうだ、私は義勇さんに怒っていたんだ。



「…何故黙る」

「……いや、別に」

「…」

「…」



…いつもなら私が一方的に話して義勇さんが聞いてくれるのに。

駄目だ、気まずい。

いつもと違う空気、居心地が悪い。


どうやって切り出そう……

あの話をどう切り出せ

「何故泣いた」




「えっ、」


重たい空気を破ったのは義勇さん。




「昨日、俺の前で泣いたのは何故だ」



何故だと聞かれても…

そんなの理由は一つに決まってる。



「……義勇さんに死んでほしくないから」

「…」

「義勇さんが何処の馬の骨かもわからない兄妹の為に命を懸けてることが許せなかった」

「…」

「鬼殺隊に必要なのは義勇さんで、鬼を連れた隊士じゃない」

「…」

「鬼殺隊をやめてほしかった」

「…」




「けど、炭治郎と…禰豆子と話して心が変わりました」


「…話したのか」


「はい」


「…」


「私はあの兄妹を信じます」


「そうか、」


「もし義勇さんがお腹を切らないといけなくなったら私も一緒に切ります」


「…縁起でもないことを言うな」


「義勇さん、私より先に死なないでくださいね」


「…」


「私、義勇さんがいない世界で生きていく自信ないです」





へらっと笑って見せると義勇さんは顔色を変えず、


「俺はお前より先に死ぬ」


なんて言うから腕を叩く。




「…痛い、叩くな」


「死んだら許しませんから」


「……善処する」








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シロヌコ(プロフ) - 無一郎の姉を取られたくないと抵抗するのが年相応の子供っぽくてとっても好きです (2022年9月19日 1時) (レス) @page11 id: 5f3cb32639 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 勒城さん» コメントありがとうございます(^-^)!晴彦は長男なので夢主のことを守って上げねば!と思ってます、可愛いです(^ー^)vありがとうございます!!! (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
勒城(プロフ) - はるひこ口悪いのめっちゃ好きですwwwwこれからも頑張ってください! (2020年12月6日 3時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Raiさん» Raiさん!コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまい申しわけございません(T_T)よくわからないのですがURLを貼り付ければ良いのでしょうか?参加させていただきますね(^-^) (2020年11月20日 3時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 「あなたの小説読ませて下さい。」「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」やり方はそのままペーストに画面通常検索など出て来ると思います。 (2020年11月17日 20時) (レス) id: 5708791899 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち x他1人 | 作成日時:2020年10月29日 0時

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