第二十二話 ページ23
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あなたたち兄妹のせいで死ぬ必要のない人が死んでしまうかもしれない。
これがどれ程に重大なことかわかる?
元柱と現柱の命が懸かってるの。
「妹が人を襲わないという絶対的な保証がないのであれば今すぐ鬼殺隊をやめて」
自分勝手なことを言ってるのも、義勇さんがこんなことを望んでないことも全部わかってる。
でも、こうでもしないと心が落ち着かない。
酷い人だと思われても構わない。
私は、私を守ってくれた義勇さんが無駄死にするのが嫌なんだ。
「………悲しい匂いがします、」
「……匂い?」
「Aさんからは胸が引き裂かれるような悲しい匂いがします」
…それが何だと言うんだ。
話をすり替えないでほしい。
「冨岡さんのこと、すごく大切なんですね…」
私が言葉を返す間もなく言葉を続ける竈門炭治郎。
「俺も冨岡さんに救われたので、Aさんの気持ちわかります。…嫌ですよね、いきなり現れた奴の為に自分の大切な人が命賭けてるなんて知ったら」
「…しかも鬼なんて、尚更信用できないですよね」
「……でも、本当に禰豆子は人を襲いません。人を助けることができます、」
真っ直ぐに私を射抜くその目は真剣そのもの。
「……無一郎の双子の兄、私の弟は鬼に襲われて死んだ」
「目の前で襲われて死んだの」
「私が守らなきゃ、弟たちは私が守らなきゃいけないんだって…でも、足が動かなかった」
「腕を奪われた弟を見て心が抉られたようだった。気づいた時にはもう鬼は死にかけてて、朝日が昇ると同時に塵となって消えた」
「急いで家に戻ったけどもう手遅れだった。弟…有一郎はどこか冷めてたけど本当は誰よりも温かくて優しい子だったのに…最期まで私たちを守り抜いた、強くて優しい子だったのに、」
「………だから、鬼は大嫌い」
…泣くな、
泣くな泣くな。
絶対に泣くな。
「私と無一郎から大切なものを奪った」
「それなのにまた、鬼が私の大切なものを奪おうとしてる」
本当に腹が立つ。
どうしていつも私から大切なものを奪おうとするの?
私、何か悪いことした?してないよね?
…堪えろ、泣くな
「……っ、!」
堪えきれずに溢れた涙を小さな手が拭ってくれた。
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シロヌコ(プロフ) - 無一郎の姉を取られたくないと抵抗するのが年相応の子供っぽくてとっても好きです (2022年9月19日 1時) (レス) @page11 id: 5f3cb32639 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 勒城さん» コメントありがとうございます(^-^)!晴彦は長男なので夢主のことを守って上げねば!と思ってます、可愛いです(^ー^)vありがとうございます!!! (2020年12月14日 8時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
勒城(プロフ) - はるひこ口悪いのめっちゃ好きですwwwwこれからも頑張ってください! (2020年12月6日 3時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Raiさん» Raiさん!コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまい申しわけございません(T_T)よくわからないのですがURLを貼り付ければ良いのでしょうか?参加させていただきますね(^-^) (2020年11月20日 3時) (レス) id: 58d20c225a (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 「あなたの小説読ませて下さい。」「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」やり方はそのままペーストに画面通常検索など出て来ると思います。 (2020年11月17日 20時) (レス) id: 5708791899 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち x他1人 | 作成日時:2020年10月29日 0時