また明日。《２》

♯92 陸 ページ42

【陸side】


彼女を北海道に置き去りで帰るって、そいつ一体何考えてる！？
急用が出来たなら、どうして一緒に帰らない？

せっかくの誕生日に知らない土地で一人で過ごすって、どんなに不安か


陸【Aちゃん、明日の朝また電話していい？】

【朝？…うん……】

陸【じゃあ明日電話するね！大丈夫、何も心配要らないからね？】


出来る限り穏やかに話したけど、内心怒りがどんどん湧き起こって来る


秋斗「Aは！？」


陸「うん……最低な男だよな？一体どんなヤツ！？」


秋斗「え、Aどうしたの！？」


陸「今北海道いるんだって。男は先に東京帰ったらしい。クレカもキャッシュカードも持ってないらしくて、手持ちが少なくて不安だから秋斗に振り込んでもらおうと思ったって」


秋斗「え！？振り込む！いくら！？って俺、マジでバイト代入るまで2000円しかないし」


陸「でも、結局カード持ってないから、振り込めないんだよ」


秋斗「あ……バカじゃんどうやって帰ってくんの！？」


陸「届けるしかないよね？」


秋斗「届けるって……誰が？」


本当は俺が行くつもりだった
けど、Aちゃんは秋斗を頼って連絡して来たんだから、秋斗が行くべきだと思った


陸「秋斗明日予定無い？」


秋斗「予定無いけど金も無い」


陸「俺出すから。秋斗の往復分とAちゃんの片道分。余裕もってた方がいいからもう少し多目に渡しとくね。これで美味しいもの食べて来なよ(笑)」


秋斗「…貸してくれるの？」


陸「Aちゃんは、秋斗を頼って電話して来たんだから。かっこいい所見せないと。迎えに行ってあげろ。絶対不安がってるから」

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