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3の段ー日の妾 ページ6

ーsideタンジロウー

『ふぅ、そろそろいいか……』

朝日が差し込み、俺の切った薪が照らされる。
朝特有のシンとした静けさと、ひんやりとした空気が肺を満たす。

五感全てで感じる朝のこの時間が、俺はたまらなく好きだ。

『やっぱり早起きはいいなぁ!』

ぐぐぅと斧を振り下ろし疲れた体を伸ばす。
今日はいつもより早く終わったのでまだ時間に余裕がある。

『(うん、まだ朝ご飯には早いし少し散歩でもするか)』

俺は薪を背負い、山の上へと足を運んだ。

ざくざく

歩くたびになる土や葉の音。
もうすぐ冬になるからなのか、最近動物が減ってきたように思える。

山形さん家のお爺さんも最近シロが来ないと、嘆いていたっけな。
シロ……たぬきなんだがなあ。
お爺さんは頑なに犬を譲らなかった…。

絶対にあれはたぬきだろう、体型や鼻の形といいなによりにおいが犬のそれでは無い野生特有の獣臭がする。

周りがたぬきと言えば山形さん家のお爺さんはシロは犬じゃ!!と何故かシロの肛門を顔に近づけてくる……。

『(普段は穏やかなんだが、何故そこで頑固になるんだっ!)』

そんな風にシロの強烈な肛門との思い出にふけていると、後方からがさっとそこそこ大きな音がした。

『(鳥か…?いや、けど鳥の匂いはしないし……)』

どこかで嗅いだことのある花の匂い。
後ろを見やると特に何もなく、気のせいか?と思いつつも一応音のなった方へと行く。

『(この匂い………)』

木の上からする。
てっきり下の茂みを兎くらいが通ったのかと思ったがどうやら違うようだ。

木の上、視線をやる。

すると…


A『………………』


『ひっ人!?』


そう、力なく女性が木の上で項垂れていた!

取り敢えず俺は木の上から女性を下ろし、羽織を枕にし横にさせる。

『(見たところ怪我はないな、血の匂いもしないし…それにしても……この人)』

真っ白だ。

肌は白く輝き、髪は雪で出来たかのように柔らかく艶があり、身につけている狩衣も、羽織もこれまた真っ白で、唇と目尻に引いてある紅が良く映えていた。

『(…………綺麗だな)』

優しい花の匂い。
確かこれは藤だ。家族で花見に行った山で桜はなく満開の藤の中弁当を食べた記憶がある。

その時嗅いだ香りと同じだ。

A『…………………はっ!』

『うわあっ!!』

真っ白なその人が勢いよく跳ね上がる。

『えっと、大丈夫か?』

A『…ら………た』

『、え?なっなんて?』









A『腹が、空いた……』

3.1の段ー日の妾→←0.1ー明ノ三矢 磨胎



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設定タグ:鬼滅の刃 , 逆ハー予定   
作品ジャンル:アニメ
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カフカ(プロフ) - お二方ご指摘ありがとうございます。外していたつもりでしたが外せてなかったみたいで、助かりました。 (2019年9月3日 16時) (レス) id: a6638a4057 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ - オリジナルフラグを外してから小説を書きましょう。違反です。 (2019年9月3日 15時) (レス) id: 08abbf8dbf (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月3日 5時) (レス) id: e2ce567437 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カフカ | 作成日時:2019年9月3日 2時

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