マイナスイオン(sumika) ページ19
「あれ、A？」
『わっ、健太さん…！』
ありがたいことに曲を提供する仕事がやってきたのは良いものの、
いざ作業しようとしても(どこかの義勝先生みたいにギリギリで作業はしたくない)滞ってしまって、結局いつものお気に入りの喫茶店にやって来た。
譜面を目の前にしてずっと悩んでいると、低めの落ち着いた声で名前を呼ばれて、顔を上げると健太さんだった。
「久しぶりだねえ、元気してた？」
『ぼちぼち、元気してました。』
「そっかあ、良かった」
『健太さんも元気でしたか？』
「うん、元気だよ〜」
「目の前、座るね」と言いながら腰をかける健太さんの顔を見ると、疲れていないように振る舞っているけど、疲労が溜まっているような顔に見えた。
『健太さん、お疲れですね？』
「いやいや、そんなことないよ」
『顔で疲れているってわかります笑』
「いやあ、Aには隠せませんなあ」
『休める時に休まなきゃ、ですよ』
「ふはっ、ありがとね。でもAも疲れ、出てますよ？」
健太さんが自分の目の下をトントンと触りながら言ってくるから、朝起きて鏡を見た時にクマが酷いなあ、とちょっと落ち込んだことを思い出した。
「そういえば制作してたの？」
『そうなんですよ、ありがたいことに依頼していただいて、』
「お、でもその様子は滞ってますね？」
『…いやあ、困ったことに全く思い浮かばなくて』
「ふふっ、そんな時もあるよねえ」
「でもAが作る曲、好きだけどね」と言いながらコーヒーを飲む健太さんに、悩んでいた心も落ち着いてきた。
『…健太さんって、マイナスイオンみたいですね』
「そんなことないよ笑 俺からすればAもマイナスイオンみたいだけどね笑」
お互いの近況や音楽について話をしていると、さっきまで曲が全く思い浮かんでいなかったのに次第に浮かんできた。
『あ、健太さんのおかげで曲が浮かんできました』
「浮かんできたのは良いけれど俺のおかげじゃないよ笑」
「忘れないうちに作業しなよ」という言葉に甘え、作業を始めると目の前で顔を見てくるから集中できないわけで、
『…健太さん、そんなに見てくると集中できないです、』
「ごめん笑、Aの表情コロコロ変わるから見ていて楽しくなっちゃって」
他人の顔を見るのってそんなに楽しいものなのか…と思いつつも、作業を続ける穏やかな午後３時の休日だった。
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ねごと。(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます(；；) ぼちぼちマイペースにですが更新していけたらなと思います…！よろしければまだまだお楽しみください、！ (4月2日 21時) (
レス) id: e1724b7e6d (このIDを非表示/違反報告)
玲 - いつも楽しく読ませてもらってます！KEYTALKにハマったのが最近で更新されてるものが少ない中更新があっていつも感謝しています！次も楽しみにしてます！ (4月2日 18時) (レス) @page37 id: 2862688979 (このIDを非表示/違反報告)
ねごと。(プロフ) - ありがとうございます(；；) まだまだお話を書く予定なので、よろしければお楽しみください､! (3月18日 9時) (レス) id: e1724b7e6d (このIDを非表示/違反報告)
はる - 楽しく読ませていただました！keytalktvにあったあの時のだーって思い返しながらとってもたのしかったです☺︎ちょっとずつ恋愛も入ってくるのかな？と次も楽しみにしてます🩷 (3月17日 18時) (レス) id: 9cf93954e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねごと。 | 作成日時：2024年2月29日 22時
