人であることの難しさを常々感じております - 4 ページ46
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「何頼む？…あ、オススメはこのハンバーグなんだけど」
「あ、えーっと…、…じゃあ、それでお願いします」
お仕事で中々会えない伊沢さんとお食事に行くことになったのは、これまた偶然に偶然が重なったようなもので。
とある日のお昼、みんなが昼食に出向く中、1人仕事を終わらせるべく残っていた私を伊沢さんがファミレスへお誘いしてくれてのことだった。
「ええと、…伊沢さんは、もうお決まりですか？」
「あ？…あー、迷ってる。コレとコレで」
…はっきり言ってしまうと。とってもとっても驚いた。
私がこの1ヶ月の間──主に須貝さんのお陰で交友関係が広がったのは紛れも無い事実なのだけど。
中々オフィスにいる時間が噛み合わない伊沢さんは、正直なところあまり話したことがない。何故誘ってくれたのかも分かりかねるのだ。
きちんと言葉にするなら、…何だろうな。気まずい、というか。
いや別に伊沢さんが苦手なわけじゃないのだけど、同じオフィスにいながらどこか雲の上の人だと思っていたのは確かで。
「…何だか、あれですね。伊沢さんとこうやってお話しするのって初めてですよね」
テキパキと注文を済ませ、ドリンクバーでそれぞれ適当なソフトドリンクを手に取って。
何だかなんとも言えぬ空気に包まれた中、私はそう切り出した。せっかくお誘いしてくれたのだから気まずい雰囲気だけは避けたい。
伊沢さんは緑茶を一口。話を振った私を珍しいと思ったのだろうか、少しばかり意外そうな顔でこちらを見やった。
「……あー、まあ、うん。
なんつーか…、あのさ。ちょっと聞きたいことがあって」
「へ？」と思わず素っ頓狂な声が出た。
…聞きたいことって、1ライターであるだけの私に？…だから食事に誘ってくれたのだろうか。
首を傾げ、その次の言葉を待つ。言いにくそうに少しだけ口ごもった伊沢さんは、「わざわざ聞くことでもねえと思うんだけど」と前置いて。
「そういう…、…人間関係にも気を付けなきゃなんねえし。言われたくないなら俺も他言しねえからさ」
そんな随分と回りくどい言い方。
別に何か悪いことをしでかしたわけではないと思うのに、身構えずにはいられなかった。
伊沢さんとの間に沈黙が落ちる。
伊沢さんは私を見やり、こめかみの辺りを掻き──意を決したように小さな声で尋ねた。
「Aちゃんはさ。
……須貝さんと川上、どっちと付き合ってんの？」
「……はい？」
→
私は日々、たくさん悩み続けてきましたが - 5→←考えられるからこその面倒もあるわけで - 3
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山田 - 本当にお話を考えるのもそれを文章にするのもお上手でただただ尊敬です… (2022年10月12日 0時) (
レス) @page24 id: 5e51f51780 (このIDを非表示/違反報告)
あー - 河村さんの話がめっちゃ良かったです! (2020年8月21日 18時) (レス) id: e630ce1c5f (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 290円様。あなたの三角関係系の小説すごく好きです。もちろん他の作品も好きですが、これらは小説としての魅力がずば抜けてます。あとたまに読み手に一抹の恐怖を与える作品も最高です。起承転結がしっかりしていて大好きです。まとまりのない長文を失礼致しました。 (2020年1月29日 3時) (レス) id: e047a9674f (このIDを非表示/違反報告)
むー - 好きすぎて更新されるたび心の中でガッツポーズしております。これからも楽しみにしてます…！ (2020年1月22日 21時) (レス) id: 1dbbe6e605 (このIDを非表示/違反報告)
めろぱん - コメント見て頂けたようで嬉しいです！後日談楽しみにしてます…ありがとうございます…あと他の方もコメントされてますがキューピッドの続編のキャロルもめっちゃすきです…悲恋系のお話大好物なので最高です…心を鷲掴みにされました。こちらのifも楽しみにしてます！ (2020年1月15日 0時) (レス) id: 18726b033e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：290円
| 作成日時：2019年9月25日 17時
