幸せのカタチ ページ36
──けど違う
そんなシアワセ私は求めてない
そう、私は──
私は零の胸を押した……私の精一杯の力で
零「うっ……!?」
A『嫌、だ……辛い過去から逃げたくなんかない!そんな辛い過去でも零や家族との思い出が詰まってる!!』
零「A……」
A『そんな幸せ要らない!例え私の心が抉られようがそれも大切な思い出なの……』
私はそう言い2階へかけだした
適当な部屋に入り、鍵をかける
零はどうやら公安にいるらしいからピッチングされても大丈夫なように、二重に鍵をかけた
A『あーあ……やっちゃった…な』
別に零に心配掛けたいわけじゃないんだけどな…
私は辺りを見渡した
可愛らしくもシンプルな部屋…
大きなベッドがあって、机にはエッフェル塔や自由の女神像など色んな置物があった
ふと、何か記憶の手がかりがあるかも知れないと思い、机に近付く
引き出しの中を漁ると何やら日記らしいものが出てきた
鍵付きらしいが鍵は着いてない
A『意味無いじゃん……』
そう小さく呟き中身を見る
これ、は……
A『私の、日記……?』
日々の辛さが書かれた日記を読み進める
日にちがとびとびしている……
ページをめくろうとした時頭に激痛が走った
何かが戻ってくるような、襲いかかる激痛に私は大声を上げていた
A『あああああ!!!……ぅぅああぁ…あ』
日記が手から滑り落ちるそこから出てきたのは家族写真らしきもの
みんな可愛くて…笑顔で
零「A!!どうしたんだ!!A!ここを開けてくれ!」
ドアの外でドンドンと扉を叩く音が聞こえるけど、そんなこと出来ない……
私はその場に倒れた
ー
遠くで記憶が押し寄せてくる
色んな映画のワンシーンのように流れてこんでくる
見せては消えて、消えては見せて
何となく思い出せそうなのに思い出せない
すごく、もどかしい
もどかしくて、怖い
このまま記憶が戻ったらどうなるんだろう?
私は、辛い思い出に立ち向かえるほど強い心はあるのだろうか
知りたがっていたくせにいざ目の前にすると怖気付く
本当に──わがままでふざけてる
けれど怖がってても何も始まらない
うん、前の私がそう言っていた気がする
当たって砕ける──それが一番いいよね
零には悪いけどね
けど、辛い思い出よりきっと──
楽しい思い出の方が沢山あるから
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りん - 続きが楽しみにしてます (2017年5月12日 19時) (レス) id: aa9084d7b6 (このIDを非表示/違反報告)
テンション異常者 - 早速更新ありがとうございます!なんか・・・もう、最高です。最高すぎます。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!夜分遅くに失礼しました。 (2017年4月16日 1時) (レス) id: fc87d70acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆかげ | 作成日時:2017年2月1日 22時