行き場のない愛 ページ34
A『──っ』
零「……A？今、指が動いて…」
大丈夫、ただ言えばいいんだ
零「………」
彼なら……“零”なら受け入れてくれる
A『──…』
私の、このどこにも行き場のない愛を…
A『──れ、い』
零「…は、ぁ…A…？」
少しづつ、重たい瞼を開けていく
その視線の先には愛しい人がいた
A『れい──零、』
涙が、彼の涙がまた溢れてくる
それを拭ってあげたいけど私の体はいうことを聞かない
だから、少しでも彼が泣き止むように
彼が私に言い続けてくれた言葉を──
A『あい、してる…』
ずっと言いたくて言えなかった言葉
ぎこちなくて頼りない
それでも彼はいつか私に見せてくれた笑顔を見せてくれて
零「俺も、俺も愛してる…会いたかったよ、お前に…」
あれれ、涙、余計に出てる
あはは……なんでだろう
零「お前も、泣いてるのか…？」
A『え……ない、て？わた、し──』
零「ははっ、もう涙でベタベタだな……そんなAも可愛いな、寝てたら…見れないしな…」
A『ごめん、なさ、い…』
話したくて堪らなかったはずなのに、何を話せばいいか分からなくなる
声だって……思ったように出せない…
零「どこか……痛いか？」
A『痛く、ない──けど、なにも、できない』
零「──体が動かないのか？」
A『うん……あなた、に、触れたい』
零「！！──うん、俺も触れたい」
口にまで伝ってきていた涙に口づけをする
押し付けられる熱にただ受け入れるしか出来ない
でも、それが凄く幸せ
あなたと久しぶりにしたキスはしょっぱくて、涙の味がした──
零「はぁ、……あ、こんなことしてる場合じゃないな、先生呼んでくる。もう、寝ないでくれよ、充分寝たからもう大丈夫だろ？」
A『ぅ、ん…』
バタンと扉を閉めて零が走ってる音が聞こえる
そんなに慌てなくてもいいのに……と言いたいけど今の私にそんな余裕はない
今にでも目を閉じたい、頭が凄く重たい
眠気を通り越して…変な感覚だ
だけどやっと会えたから
彼を悲しませるようなことはもうしたくない
私の名前を呼んでくれた彼を
零「A！！」
A『──れ、ぃ…』
零「嘘、だろ？もう、眠らないでくれ…」
医者「落ち着いて下さい、彼女を混乱させては逆効果です…怖がらないで目を閉じても大丈夫です、今の貴女ならもう長々と眠り続けることは無いです｣
その言葉を信じて私は目を閉じた
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りん - 続きが楽しみにしてます (2017年5月12日 19時) (
レス) id: aa9084d7b6 (このIDを非表示/違反報告)
テンション異常者 - 早速更新ありがとうございます！なんか・・・もう、最高です。最高すぎます。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！夜分遅くに失礼しました。 (2017年4月16日 1時) (レス) id: fc87d70acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかげ | 作成日時：2017年2月1日 22時
