無色透明のお前 ページ31
バンッッ──
その鋭いけん銃の弾丸は私の足を貫いていた
零は、私を撃った……私を…？
A『ぅ……ぁ』
私は痛みに悶えその場に座り込んだ
翡翠「なっ！？お前……ふざけるな！何してるんだ！」
翡翠は必死に私を抱き起こそうとするけど、私は足が撃たれて立てないし……そもそも、今の翡翠に女ひとり抱えきれるほどの体力が残ってる様には見えなかった
零「──…A！！！」
そう叫んだ零は私に手を伸ばしてきた
怖かった、私を撃った人の手を取るのは
裏切られてはいないだろうか
色んな不安がよぎる中で過去の零が見えた
笑顔を私に向けて
けどその笑顔はちょっと悪戯っ子のような笑みで
いつもは意地悪なくせに変なところで優しくて
そんな人が私の事を裏切るだろうか
私に愛してると言ってくれた彼は私を殺すのだろうか
その思考に辿り着いた頃には私は零の手を取っていた
零「A……信じてくれて、ありがとう」
この場には似つかないほどのやんわりとした笑みを向けてくれた零は私を抱き抱えた
零「お前のような腐った人間でもAは家族だと思ってる──Aの気持ちを裏切りたくないなら、自分のやった事に悔いてるなら今すぐここからでろ……いいな」
A『翡翠……にげ、て』
この掠れた声は翡翠に届いたのだろうか
こんな姉の言葉を──聞いてくれるのだろうか
翡翠、あのね、貴方に殺されようが、恨まれようが構わないの
──大切な家族、だから…
ー降谷零side(現在)
零「本当に嫌な話だよな……組織のボスを殺した名誉で何の罪も問われないなんてな…」
零「けど、Aは…」
A『──』
俺は未だに目を覚めないAの頬を触る
煙の吸い過ぎに、翡翠から受けた怪我で目が覚めないなんて…
翡翠「俺、は……おれ、は──」
ポロポロと涙を流す翡翠を見る
本当に後悔、しているのだろう
彼の涙は凄く透明で、なんの汚れも知らないような無色透明
やはり姉弟なんだ、涙の色も泣き顔さえ似てる
そんな翡翠を見てまた腹が立つ
翡翠にも…自分にも
もう、3年も経つんだ…俺はもう待ったよ、待ちくたびれたよ
零「早く…目を開けてくれよ…」
その瞳に俺だけを映して欲しい
その小さく閉じられた口を俺だけに許して欲しい
その短くて細くて、頼りない腕で俺を精一杯抱きしめて欲しい
まだまだ足りないんだ、Aとの思い出が足りないんだ
翡翠「あむろ……零さん、姉さんと二人にしてくれませんか？」
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りん - 続きが楽しみにしてます (2017年5月12日 19時) (
レス) id: aa9084d7b6 (このIDを非表示/違反報告)
テンション異常者 - 早速更新ありがとうございます！なんか・・・もう、最高です。最高すぎます。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！夜分遅くに失礼しました。 (2017年4月16日 1時) (レス) id: fc87d70acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかげ | 作成日時：2017年2月1日 22時
