ココロから溢れ出すのは ページ30
零「A……!?大丈夫か!?」
A『──う、ん…』
零「分かった、喋らなくていいから煙吸うなよ」
A『ひ、すい……ひすいどこ?』
私は朦朧とする意識で私はその人の名前を呼んだ
A『翡翠──』
翡翠「姉さん?……なに?何言ってるか分からなっゴホッッ!」
A『翡翠……わた、ひすのこと…家族だ、思って…』
零「A…」
翡翠「……そんなん、だから姉さんは騙されやすいんだよ」
翡翠はそう言うと零にけん銃を向けた
零「どういうつもりだ……このままお互いここに居続ければ死ぬぞ」
翡翠「死ぬのは、お前だけでっ…ゴホッッ」
零「どっちが死にかけてるんだ、もう相手してる暇なんてないんだよ──生きたければ早くここから出ろ」
A『れい、ひすい……』
零「もう喋るな、喋らないで…」
零が私を抱き抱えた、その時だった
翡翠は私達に体当たりをして私は翡翠の腕の中にいた
前まではここはとても暖かい場所だったのに……
いつの間に怖くなっていたんだろう
零「なっ……!!」
翡翠「油断し過ぎだよ…本当にそれで姉さんを守ろうとしたの?クソだな」
零「翡翠……」
A『……っ──』
零「見れば分かるだろ?もう、Aはここから出ないと危ないんだ!!煙を吸いすぎてる…」
翡翠「どうせ結ばれないのならここで一緒にずーっと居るのもありだと思わないか?」
翡翠がそう言うと私のこめかみにけん銃を押し付けた
でも今はそれが怖くない──私の感覚は麻痺していた
零「(A……ごめんな)」
零が口をパクパクして私に伝えた言葉だった
翡翠に聞かれたくないのだろうか、声には出してくれなかった
そして零もけん銃を構えた──翡翠に銃口を真っ直ぐに向けて
でも私には違和感を感じた……焦点があってない
A『やめ、て──やだ』
翡翠が撃たれる、殺される……しかも大切な人に
翡翠「ははは!やってみなよ、お前が撃った瞬間、姉さんの命は無いよ?……あははは!」
狂ったように笑い狂う翡翠は今までとは違う翡翠。
その目には涙が浮かんでいた
私はこんなにも翡翠を苦しめていたの…?
A『ごめんね……ばかなあね、で…気づいてあげ、れなくって……』
翡翠「……姉さん、もう、遅いよ。姉弟として産まれた時からもう、遅かったんだ」
零「お話はそれだけか…?それじゃあ行くぞ」
けれど零の瞳には──
彼には殺意がなかった
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りん - 続きが楽しみにしてます (2017年5月12日 19時) (レス) id: aa9084d7b6 (このIDを非表示/違反報告)
テンション異常者 - 早速更新ありがとうございます!なんか・・・もう、最高です。最高すぎます。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!夜分遅くに失礼しました。 (2017年4月16日 1時) (レス) id: fc87d70acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆかげ | 作成日時:2017年2月1日 22時