さようなら ページ24
ー降谷零side
A『そうだね……愛してる』
いきなりの告白に戸惑っているとこにAは悪戯っぽくニコッと笑う
……小悪魔か
そう呟くとAは『零に似たんだよ、恨むなら自分を恨んでね』と言った
俺は確かに…まぁ…うん
傍にいると仕草も似てくるものなのか?
泡の付いた手をギュと握る
後ろからの視線に俺はAを強く抱き締めた
視線の主は恐らく翡翠、翡翠しかありえない
翡翠に隠すつもりは無い
心を開きつつある翡翠を俺は信じてみたい
……こんなんじゃ公安には、いられないな
家族を信じたいから、俺はあえて何も言わなかった
ー
ピピピピー
A『──んんっ』
いつまでも一人で起きない私は目覚ましの音で目を覚ます
いつもながらに隣に零はいなかった
A『起きた時に隣に居ないの、意外と寂しいんだぞぉ〜……』
なんて言ったって零が隣にいる訳でもなく、勝手に照れて、私はただ虚しいだけだ
A『はぁ──零は下、だよね』
いつものように服を着替えて部屋を出ようと扉を開けたら、そこには翡翠が立っていた
A『翡翠…?おはよ、早いね』
翡翠「…………」
翡翠は何も言わなかった
A『──翡翠?え、えーと…寝ぼけてる?』
翡翠の顔の前で手をヒラヒラしても反応なし
本格的に心配になってきた私は肩を掴んだ──けど
翡翠「人が良すぎるんだよ、姉さんは」
A『えぇ?いきなりどうした?変な物でも食べた?』
翡翠「──俺この家、出るよ。短い間だったけどありがとう…それじゃあね」
廊下の窓から飛び出した翡翠は私が窓から顔を出した頃にはもう姿形もなかった
A『──う、そ……』
私はその場に崩れ落ちるように座り込んだ
やっと会えた家族なのに、姉弟なのに
A『本当に、スパイだったの──?』
両目から溢れたのは見たくもない赤い血だったー
ー
零「…そうか、翡翠が…」
その後、零に見つかって私は部屋に戻った
零にさっきあった事を話すと、暗い顔になった
A『うぅ…どうしたら、いいの?』
私は家族を守りたい…翡翠だって守りたいのに
零「…赤井に相談、してみるか。Aのお父さんとお母さんにも」
A『…へ?』
零の提案は私をビックリさせるものだったー
ー
A『ごめんね、赤井さん。いきなりこんな事になっちゃって……』
赤井「仕方ないだろ、それに、こんなに味方がいるのなら大丈夫だろう」
──私達は組織のアジトの前にいた
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りん - 続きが楽しみにしてます (2017年5月12日 19時) (レス) id: aa9084d7b6 (このIDを非表示/違反報告)
テンション異常者 - 早速更新ありがとうございます!なんか・・・もう、最高です。最高すぎます。お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!夜分遅くに失礼しました。 (2017年4月16日 1時) (レス) id: fc87d70acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆかげ | 作成日時:2017年2月1日 22時