【短編集】助けて...

司法(不機嫌なモノノケ庵) ページ31

「ダメだよ、A」

そうやって僕の手から刃物を奪い取る司法

「大量に薬を飲むのを辞めたと思ったら…自分を傷つけるなんて…」

なんで…なんで司法が悲しい顔するの。

『司法…怒ってる？』

「怒ってるより…心配かな」

わからない…
心配する意味が僕にはわからないよ司法。

「前は薬を大量摂取、その前は毒薬を摂取…それでとうとう傷つけてしまった…」

「Aは…なんで自分を傷つけるの？…死にたいから？」

『…そう、でもそれができないのが僕。怖くて、臆病だから、こうやって自分を傷つける。罰だよ。』

「僕はAには生きてて欲しいな。本当にだったら自分を傷つけて欲しくないけど、辞めてと言われてもきっとすぐには辞めれないだろうからね。」

そう言いながら僕に詰め寄ってくる司法
僕は壁まで追いやられてしまった
そしたら…

ドンｯ

音だけ聞いたら壁ドンだ。でも違うのは、ぼくの顔のすぐ横に刃物が刺さっている

「僕が…殺してもいいんだけどね。」

笑顔の司法が言う。
司法に殺される…司法の手を汚させてしまう…

『それは…嫌だ…』

「うん、僕も嫌だよ。齋にも妹にも怒られるだけじゃすまされないし、Aの事好きだから。だからさ、自分を傷つける前に、僕に話して？僕がAの事サポートする」

『でも、それじゃ司法が…』

「迷惑じゃないよ。」

『司法…ごめん…なさい…』

「うん。これから…少しずつ…ゆっくりね。」

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