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No.2 ページ2

風見Aは風見裕也が15歳の時に生まれた妹だ。ずっと一人っ子だった風見の初の兄妹で、生まれた時はそれはそれは嬉しかった。小さな妹の成長を見るのはとても幸せだったし、20歳で家を出る時最も辛かったのは、可愛い妹の側を離れなければならなかったことだった。

住んでいるところ自体は都内でそこまでの距離ではないのだが、風見の職業柄なかなか会う機会はなかった。しかし年末年始などに実家に帰れば、
「ゆうやー!」と嬉しそうに胸に飛び込んでくる妹は本当に可愛くて、愛おしくて、この小さな妹を守る為にも仕事を頑張ろうと思い直せるほどの破壊力だった。

そんな妹がなぜ実家ではなく風見が一人暮らしをしている部屋にいるかというと、どうやら母親と喧嘩をしたらしい。現在、風見の父親は病気で入院している。そこまで心配するほどの重症ではないようだが、病院へ通ってものを運んだり、サポートをしたりと母親は忙しくしているらしい。忙しい日々の中で、妹にはストレスが溜まっていた。母が妹の学校の書類をずっと書いてくれなかった、妹の雑誌を誤って捨ててしまった、急いでいて妹が作ったパズルを壊してしまった、食事に3食3日間カレーが用意されていた、などなど...。

風見は当初、ほんの些細なことだと思った。母親が忙しくてミスが多くなってしまうこと、あまり娘に構っていられないことくらい、聡明な妹には分かるはずだ。風見Aはとても優秀だ。その優秀さは、某トリプルフェイス、某公安のエースを思わせる程なのだ。しかし、何故だかたまにとても聞き分けが悪くなる。大したことないことでへそを曲げる時がある。

とにかく、妹は怒ってしまった。ぷりぷりしながら風見の家に来て、「今日から裕也の家に住むから!」と勝手に言い捨てて、風見の部屋にあった客人用の布団を敷いて潜り込んでしまった。ふて寝しようとした妹をなだめてなだめて今回の経緯を知ったのだ。

母親に電話をしたら、
「私は連れ戻そうと思ってないから、あの子の気が済むまでそこに置いてあげて。」
と言われた。それはさすがに可愛い娘に対して冷たいのではないかと抗議しようとしたが、
「あの子は優しいからね...」
と謎な言葉を残して電話を切られてしまった。

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Bonetrousle(プロフ) - ララアさん» 1ヶ月以上前なので知っていると思いますが「ゆうや」ですよ。(名前の由来は「カミーユ」だそうです) (2018年7月10日 2時) (レス) id: da4ef9cad3 (このIDを非表示/違反報告)
ララア - 風見裕也の名前の読み方、『たつや』ではないでしょうか?間違っていたらすみません。 (2018年5月21日 16時) (レス) id: 120ea46722 (このIDを非表示/違反報告)
かめ(プロフ) - ,さん» コメントありがとうございます!夢小説の書き方がよく分からなくて、普通の小説のように書いているので読みにくいと思います。すみません!改行を増やしてみたのですが、少しはマシですかね...?ご意見いただけてとても嬉しいです! (2018年5月16日 12時) (レス) id: b889aa92a9 (このIDを非表示/違反報告)
, - すごくお話が良くて 続きが気になるのですが、少し 文がつめつめで読みにくいので... わざとそうしているのならすみません。上から目線ですみません。更新頑張ってください!! (2018年5月15日 18時) (レス) id: b1632523d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かめ | 作成日時:2018年5月14日 17時

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