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Now じゅういち ページ35

〜Now〜
零の『真実』について、私の中に生まれたもやもやは次第に大きくなっていく。

翌月の半ば、再び零とデートをした。今度は東都水族館。観覧車は零が拒否したので、乗らない。水族館を巡り、レストランで食事をする予定だった。
零の、観覧車に対するトラウマとはなんだろう。そんな事まで気になる。何かの事故に関わったとか?知り合いを亡くしたとか?観覧車の事故なんて、そうそうないはずだ。しかし、私の記憶の中にそんな事件など...。
あった。あるに決まっているではないか。
そう、確かここ、東都水族館の大観覧車だった。『あの』組織が事件を起こしたのは。そして、『彼』が死んだのもこの事件の直前であった。
零は、あの事件の関係者なのか?わたしが予想している零の本当の職業的には、大いにありえる。それで零は観覧車にトラウマができたのか?本当にそれだけか?
零はあの組織とも関係しているのかもしれない、と考え始めた。
零のことが気になる。何かひっかかる。

「A?どうかしたのか?ぼんやりして」
「...へっ?」
「なんかずっと、ぼんやりしてるぞ?何かあった?もしかして、あんまり楽しくない?」
「えっ!?」
零が少し悲しそうな顔で私の顔を覗き込んできた。
「違う違う!そんなわけない!!ちょっと考え事してただけだから!」
「そっか、よかった...」
それにしても。と、零は穏やかに笑った。
「ちょっと懐かしいけど、この水族館随分変わったな。」
「そうだね。大型リニューアル入ったんだっけ?」
「うん、らしいな。ところで、A...」
「な、なに?」
零がじっと見てくる。何かおかしなことを言ってしまっただろうか。
「いや、A、前に俺に『変わらないね』って言っただろ?」
「うん。」
「今な、Aも変わんないなー、って思ってたんだ。」
「えっ?」
零は子供のようにくしゃっと笑った。
「Aと一緒にいるだけで楽しい。それはずっと変わらない。」
「...っ!」
顔がカッと熱くなる。
「...あんまり嬉しいこと言わないでよ...」
「本当のことだ。俺も、すごく嬉しかった。」
目を合わせたら何となくお互い照れてしまった。
「行こっか?」
「...うん。」
高校生のカップルのように手を繋いで歩いた。零の手はとても温かかった。

Youth is at its peak しち→←作者より



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匿名 - 間違えました(汗)って、は読まないようにしている下さいm(_ _)m (2018年5月5日 0時) (レス) id: 9728013e8e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 改行した方がよろしいってかと (2018年5月5日 0時) (レス) id: 9728013e8e (このIDを非表示/違反報告)
かめ(プロフ) - 矮楼さん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの所属は警察庁ですが、私的な設定として降谷さんは夢主に警視庁勤務であるという嘘をついている、としています。表現の拙さで誤解させてしまってすみません。 (2018年1月11日 18時) (レス) id: b889aa92a9 (このIDを非表示/違反報告)
矮楼(プロフ) - あの、降谷さんの職場って警察庁じゃないでしょうか?ページ28のところです (2018年1月7日 9時) (レス) id: 0e1226e354 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かめ。 | 作成日時:2017年12月18日 13時

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