About the memories with her No.1 ページ19
〜His side〜
「初めまして。深瀬Aです。」
そんな言葉と共に僕の隣にやってきた彼女。僕はその彼女に恋をした。
深瀬A。彼女ほど僕の心を揺さぶった人は、今までに会ったことが無かったし、これから会うことも無いだろうと思う。
彼女はとても美しい人だった。そして、なんでもできる人だった。彼女は僕と同じくらい(もしかするとそれ以上に)勉強ができた。また、彼女は僕と同じくらい(もしかするとそれ以上に)運動ができた。鬼ごっこで転んで泣いている子がいたらすぐに近づいて手を貸し、ハンカチを忘れて困っている子がいたら彼女の桃色のきれいなハンカチを貸してあげていた。そんな優秀で優しい彼女は、当然のように男子たちに大人気だった。
嫉妬した女の子達に嫌われていたかといえば、そういうことでもなかった。彼女は男女関係なくみんなに優しく、みんなに尊敬されていた。僕も彼女のことを尊敬していたし、彼女のことが好きだった。彼女は隣の席に来た転入生、だったから、僕は特に彼女と関わることが多く、みんな以上に彼女の魅力に触れていた。
僕がクラスで孤立し出した時、彼女だけは変わらなかった。変わらず僕と一緒に帰ったり、お喋りしたりしてくれた。彼女は僕の、不変な高嶺の花でいてくれた。
彼女にエレーナ先生のことを話した。先生のことを話したのは、彼女が初めてだった。彼女はいつも、微笑んで僕の話を聞いてくれた。だけどエレーナ先生の話をした時だけ、彼女の微笑みは固かった。
『ダメって言ったでしょ?もう喧嘩しちゃ...』
『だって...!』
『次に怪我してきても、もう手当できないよ?先生、遠くへ行っちゃうからね.......バイバイだね、零くん―。』
バイバイだね、零くん。
そう言って先生は姿を消した。とても悲しい別れだった。僕はとても辛かったけれど、笑顔を貼り付けて普段通りを装った。笑顔を貼り付けるのは得意だ。いつも誰も気づかない。今回も誰にも気づかれないまま、ひっそりと独りで泣くつもりだった。
それなのに、彼女は見破った。
「笑うことって、ちゃんとすることじゃないよ。」
なぜか恥ずかしそうに彼女はそう言った。ハッとした。
「楽しい時や、嬉しい時、幸せな時に自然と浮かぶものが笑顔だ、と、思う...よ?」
やっぱりなぜか恥ずかしそうな彼女が可愛くて、彼女が僕をよく見ていてくれていることが嬉しくて、彼女らしい言葉に胸を打たれて、僕はフッと微笑んだ。
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匿名 - 間違えました(汗)って、は読まないようにしている下さいm(_ _)m (2018年5月5日 0時) (レス) id: 9728013e8e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 改行した方がよろしいってかと (2018年5月5日 0時) (レス) id: 9728013e8e (このIDを非表示/違反報告)
かめ(プロフ) - 矮楼さん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの所属は警察庁ですが、私的な設定として降谷さんは夢主に警視庁勤務であるという嘘をついている、としています。表現の拙さで誤解させてしまってすみません。 (2018年1月11日 18時) (レス) id: b889aa92a9 (このIDを非表示/違反報告)
矮楼(プロフ) - あの、降谷さんの職場って警察庁じゃないでしょうか?ページ28のところです (2018年1月7日 9時) (レス) id: 0e1226e354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめ。 | 作成日時:2017年12月18日 13時