とある高校生side ページ36
「よし、こんなもんだろ。」
伸びきっているオッサン達を尻目に襲われた男子に近寄る
座り込んだままキョトンとしている
「あー……大丈夫か?手貸すぞ。」
「あ、ありがとう。」
ヒョイっと立ち上がった(か、軽い……!)
「じゃ、俺はこれで。」
「このグラタンとっても美味しいよ!僕のオススメなんだぁ。後は……」
ど う し て こ う な っ た 。
あの後回れ右でさよならするつもりだった筈が腕を掴まれお礼がしたいと言われ近くにいいお店あるからと強引に誘われた俺氏
「だって君お腹すいてるでしょ?お腹の音鳴ってたし。」
「やめてくれ……。」
クスクスと笑われ消沈した
「助けてくれたお礼だからお金のことは気にしなくていいよ。全部僕持ちだから。」
「じゃあ……お言葉に甘えて。」
少し経ってから来たグラタンを食べるとかなり熱かったが言葉通り凄く美味しかった
「そう言えばお互い自己紹介まだだったね。僕は羽賀洸(ハガヒカル)。洸って呼んで。」
「不破悠里。俺も悠里でいい。」
「悠里ってここら辺に住んでる人なの?」
「いや。上京してきた男子校一年。」
「え?じゃあ僕と同い年だね。僕も高一なんだ。」
「グッ……!ゴホッゴホッ……!同い年!!?」
「逆に僕の事どう見てたの?」
「年上かと思ってた。」
「ふ〜ん……僕が老けて見えたんだ……。」
「いやそうじゃなくて、なんて言うか……大人っぽい雰囲気だったからてっきり……。」
しどろもどろに喋るとクスッと笑った
「冗談。少しからかったんだ〜。ごめんね。」
少し舌を出しいたずらっ子ぽく謝る洸を見て不覚にもキュンときた
「ひ、洸っていつもあんな感じに絡まれるのか?」
「ん〜たまぁにね。いつもは護身用にスタンガンをもち歩いてるんだけど今日忘れてて……。」
oh……スタンガン
「悠里って強いんだね?なにかやってるの?」
「あー……武道1通りと中学ん時ちょっとばかし喧嘩して地元では断トツトップだったな。」
「へぇ〜……。」
関心するような感じでなにやら考え始めた洸
まっ、あんま自慢する事じゃないんだけどなー……俺の黒歴史だ
「……悠里。」
ふと突然真剣な声で話し始めた
「君に頼みたいことがあるんだ。」
「なんだ?」
あの時、嫌な予感がしてたのに……聞かなきゃ良かったんだ……
「僕の事…………守ってくれない!?」
「はぁぁ!?」
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