助けてくれた人 ページ29
貴「何言ってるんですか、、、私無理してませんよ?」
あくまでも平然を装う。
けど義勇さんは眉間にシワがどんどんよる。
私を抑える手に力が入って少し痛い。
冨岡「何故こんな事をしているんだ。」
貴「一応の為です。それに上弦の鬼に遭遇した時
私を喰べさせればいいんです。そうすれば、、、」
冨岡「もしもの為……自分を喰わせる?、、、
ふざけるなっ!!!!自分の命を粗末にするな!」
声を張り怒りをあげる義勇さんは初めて見た。今まであった人の中でも
とても怖いと思った。
貴「普通の鬼を殺せば何十人との命が助かります。
上限を倒せば、何百人との命が助かります。
そう思えば私の命など軽い物です。
そして私は、、、”早く死にたいんですよ”」
冨岡「?!」
貴「親を殺された日から私の刻は止まったまま。
幸せがとまってしまった瞬間。
死んでしまいたいと思った瞬間。
だけど”ある人”に助けられました。その人は自分に
強く生きろ。と言われました。ぎこちなく頭を撫でてくれる
大きな手がとても暖かくて、、、優しくて、、、。
ああ、この人の傍にいれば生きる意味が見つかるかもと思いました。
とっても大きい背中、大きな手が、暖かい、、、暖かくて、、、
とても優しい声。その人の名前は”冨岡義勇”」
冨岡「?!?!」
貴「だけど、貴方のそばに居ても自分の生きる意味がわかりませんでした。
あの時感じた恐怖しかなかった。あの恐怖が私から離れなかった。
けどやっぱり貴方がいたからもう少し頑張ろうと思いました。
それでもやっぱ自分の命に対して何も感じませんでした。
自分の心はあの時止まったたままで。心の奥底で死にたい
こんな苦しい思いしてまで生きたくない。そう思っています。
だけど無下に死のうとなんて余り思いません。
せめてでも自分の役割を果たして死ぬ。だから身体に毒を流してるんです。」
そう話終わったあと、私は起こされギュッと抱きしめられた。
冨岡「苦しい思いをして尚また自分の首を締める。
そんな姿俺は見たくない。そして謝って済まされることじゃない。
けど、あの時もっと早く来てやれなくて済まない。
もし早く来ていれば、お前は今も幸せな時間を過ごせていたかもしれない。」
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作者名:フブキサクラ | 作成日時:2019年10月5日 16時