【ハイキュー】クールなメガネ男子は実は明るい音楽家!?６【男主】

261. ページ20

side.赤池




一人前を走るやつを追い越してからはただただ夢中で走っていた。




そして、ゴールテープが視界に入ってからラストスパート。



持てる力を全て出し切ったと思う。





ゴールしてから勝ったことよりも水が飲みたくてたまらなかった。



上がった息を整えるために何度も何度も深く息をする。



一人で体育座りをして顔を下に向けて。






「お疲れ。」
その声とともに頭にタオルがかけられた。



そのタオルで汗を拭くために顔を上げるとやはり京治だった。


『ありがと。』
「あと、これも。」


そう言われて差し出されたのは俺の飲みかけの水の入ったペットボトルだった。




『持ってきてくれたのか？』
よく見るとタオルも自分のであった。


「自分のを取りに行ったついでだけどね。」
『助かった。ありがとう。』
「いやいや。Aのおかげで今年も総合優勝じゃない？」
『総合優勝なんてどうでもいいよ。』



立っている京治と同じ目線になりたくて立ち上がり、乾いた喉を潤すべく、ペットボトルの水を一気に飲み口を手の甲で拭い、京治を見る。



『お前によろしくって言われたからな。やっただけさ。』

「言わなかったらやってなかったってこと？」

『いいや。やってたさ。部活対抗で京治を越せなかったからな。最後ぐらいはしっかり越さないと、京治が一番じゃなくなるからな。』

「なんか恥ずかしいからその話終わり！」
『お前から振ったような話題なのに…』


「赤葦！赤池！」
俺が京治へうじうじ言っているとクラスメイトが何人も俺たちを囲った。



「え？何？」
『暑いから近づくな。男ばっかでムサイんだよ。』


俺と京治はクラスメイトに囲まれながらクラスのテントへ戻って荷物をまとめた。




.

262,→←260,

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す