RAMPAGEのおっとりくん

かわいい後輩の為なら ページ26

隆二 side


テレビ局に入って、俺の前を歩いている後ろ姿
あれは、恐らく俺が唯一と言っていいほどの可愛がっている後輩

隆二「おーい、あ「麻田くん！お疲れ様〜！」………」

『あ、お疲れ様です』


話しかけようとしたら、どっかの男性スタッフさんに遮られてしまった。なんか悔しい
でもAの様子おかしくない？


「いやー、考えてくれた？」

『ですから、この間も言ったように、俺はファンの方を悲しませたくないんで』


いつものおっとりが鳴りを潜め、端正な顔立ち通りの冷たい話し方になっている。それに、スタッフさんが1歩近づくと1歩下がってるし


「良いと思うんだけどな〜！グラビアの子よ？麻田くんも女の子、会いたいでしょ？」


ゲスな顔で話すスタッフの人をもう無視して、首にかけていたヘッドホンを付け始めた
……あらら、あーいうタイプにそれはダメだ


「あの、聞いてますか〜？？はぁ？聞いてねぇし……。あのー！もしもーし！！」


案の定、あさのヘッドホンを奪い取ろうとしやがった
まあ、俺の我慢も限界だし


隆二「人のものに手出そうとするの、流石にやばくないですか？」

「え！？い、今市さん……」

『え、隆二さん！？』


スタッフの腕を掴めば、驚いた顔で見てきた2人
掴んでた腕を離し、あさを俺の後ろに隠すように寄せる


隆二「アンタ、見たことあると思ったら○○テレビ局のディレクターか。確か、新人だっけ？」

「は、はい！新人の斉藤です！覚えて頂けたんですね！」


嬉しそうだけど、何勘違いしてんのコイツ


隆二「そりゃ覚えてるでしょ。演者の嫌がる事をやらせて炎上で視聴率稼ぐ番組ばっか誘ってくるって注意喚起出てたし」

「………え、？」

隆二「うちのA、確かに女性との問題も浮いた話も何もねぇから、そういう番組に出たってだけで炎上で視聴率は上がるわな」

「いや、決してそういう訳では……」

隆二「じゃあどういう訳？Aが嫌がってる内容の番組に出るように強要してるとこのどこが嫌がらせじゃねぇって？嫌がらせだろ」

「いや、その……」


睨みながら詰め寄れば、さっきの強気な姿勢はどっか行ったのか、どんどん声も小さくなっていく


隆二「悪いけど、うちの方で報告させてもらうわ」

「え！？いや、それだけは！！」

隆二「は？信用問題って分かる？大体、そんな注意喚起出てる時点で信用無いけどな」


そういう事だから、と言って俺はあさの手を取って楽屋へと歩き始めた



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