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『……ねぇ、エリック?
キミはこれからどうするのかな?』
ビルの上から、何処かへ電話をしているエリックを見下ろしながら呟くA
『赤の王が彼をどうするのか……今回の物語の山場はそこかな』
影からエリックを見ている藤島に一瞬だけ視線を寄越すと、Aはその場から立ち去った
『こんばんは♪』
「な……誰だテメェ!」
Aは氷川組のアジトを訪れていた
隠れていれば良いものを、Aはそんな事をせずに堂々と挨拶をする
「ま、待てっ!そいつまさか…。
“ オーバーシア ” じゃねぇか…?」
『役者に覚えててもらえてただなんて光栄だね〜。嬉しいよ!』
無邪気そうな笑顔を浮かべて喜ぶAに、氷川組の者達は動揺を隠せない
『今日は舞台を観に来ただけだから、そんなに警戒しなくても良いよ?
余程の事がない限り、ボクは役者には手を出さないからさ』
「は…?何言ってんだ?」
すると、まるで計ったかのようなタイミングで誰かの靴音が響く
カツン、カツンと音が大きくなるにつれて、その人物の顔が見えてきた
尊「……よお。
俺に用事があったのはテメェらだな?」
『おぉ怖。流石は赤の王様だね。
ここに居たら怪我しちゃう』
Aは尊に気付かれないように、そっとその場を離れて現場を見つめた
尊「………おい、何やってんだ」
暫くして氷川組が再び潰されると、尊はAの方を睨む
『あれ、バレてたの?』
尊「……」
『まぁ良いや。
ボクはただ観てただけだよ』
尊「こんなんばっか見て、飽きないのか」
『ふふっ、捉え方は人それぞれだよ』
Aは否定も肯定もしなかった
すると、その返答が気に入らなかったのか、尊が怪訝そうな顔をする
『キミは早く行った方が良いんじゃない?
お仲間が待ってるんでしょ?
早く物語の結末を見せてほしいな♪』
そう言って何処かに立ち去ったAを何も言わずに見つめた尊はチッと舌打ちをすると、無言で歩き出した
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紅キ霧雨 - 遅くなりましたが、続編が出来ましたので、宜しければ続編も是非ご覧ください! (2018年11月9日 20時) (レス) id: 68e7808bec (このIDを非表示/違反報告)
紅キ霧雨 - つきのさん» ありがとうございます!!!そう言っていただけると凄く嬉しいです…!!亀更新ですが、今後もよろしくお願いします! (2018年11月4日 21時) (レス) id: 68e7808bec (このIDを非表示/違反報告)
つきの(プロフ) - 凄く設定とかもカッコよくて内容も面白くて最高です!これからも頑張って下さい! (2018年11月3日 17時) (レス) id: 862a65ff1a (このIDを非表示/違反報告)
紅キ霧雨 - 加藤都子さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです! (2018年8月3日 20時) (レス) id: 68e7808bec (このIDを非表示/違反報告)
加藤都子(プロフ) - とっても面白かったです!!(*´∀`)♪更新楽しみにしています!!(*^^*) (2018年8月2日 7時) (レス) id: b24c338b00 (このIDを非表示/違反報告)
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