E.M.P.T.Y 【JK】

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男はコンビニから出てきて、少し歩く。








角を何度か曲がって、よく行くパン屋を通り過ぎて、人気のない道に入っていく。









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家に帰ってでもいるのかと思っていたけど、

周りをキョロキョロと確認したり、
スマホを出したりしまったりして落ち着かない様子からして違うらしかった。









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その後ろをバレないようにつけて、ようやく男が立ち止まった。









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どこかで見覚えがありそうなその場所は

KEEP OUTの文字が並ぶテープで規制されている。









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｢…ごめんな、グク｣









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男がそう呟いた時



この場所を見た記憶が蘇った。









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ｰｰｰ ｢…次男の遺体が発見されました｣









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胸がぎゅっと痛む









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｢ごめんな…ごめん…｣









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男は何度も謝りながら
その場にしゃがみこんで頭を抱える。









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｢助けてやれなくてごめんな…｣









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…もしかして









この男が真犯人かもしれない。









いや、絶対そうだ。




だってジョングク君は、その親友だけが自分のことを｢グク｣と呼ぶんだと言っていた。









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そう思ったのも束の間

その発想は一瞬にして消えた。









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｢…まさかお前が死ぬなんて…｣









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ジョングク君やマスコミの話では


ジョングク君は殺され、殺したのは親友その人で間違いないはず。

そして今目の前にいる彼はジョングク君の親友のはず。









殺したのはあなたではないのかと今すぐ問い詰めたい気持ちを押し殺して



深まるばかりの謎を抱えてその場を後にした。









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