いちご王子様達をお助けしたら…？

じゅうごこ ページ16

全ての言葉が私に刺さる

赤井も私と同じ…

辛い思いをしてきたんだ

いいのかな

私のことを話してしまっても…

いや

話さなきゃ

赤井が私に心を開いてくれた

疑われるようなことをしたのに

「ねぇ赤井…私の話も聞いてくれる？」

赤井と同じように、私も赤井を覗き込む

莉「聞くに決まってるじゃん！」

あっ

デジャヴだ

ー回想ー

私は、自分でもはっきり断言出来る程大人しくて

いつも教室の隅っこで本を読んでいるような子だった

特別頭も良くなければ、運動も得意ではなくて

普通の中学生

最初はそれでもいいと思ってたけど

周りは自分より秀でているように感じて

それに嫌気がさした

みんなと同じになりたい

私もあの輪の中に入りたい

そう思った私は、引くほど周りの人に気を遣った

でも、そうすると自然と誰かが寄ってきてくれて

私を頼ってくれた

そう思っていた

でも、それは私の思い込みに過ぎなくて

クラスの中心人物の一人が

女子1「お前、お節介ばっかやいて周りをうろちょろしてウゼーんだよ！言っとくけど、周りはお前を頼りにしてる訳じゃねーからな！お前を利用してんだよ！」

その言葉は私の中で衝撃だった

大きな声で言うから、周りの子にも聞こえている

でも、みんなその子に合わせて笑うだけ

誰も助けてくれなかった…

ー回想終了ー

「私も赤井と同じ、自分を一から作り直したの。言葉遣いをワザと悪くしたり、一人称を変えたり、見た目を変えたり…とにかく、自分を守りたかったの」

赤井は黙っていた

莉「辛かったね…もう大丈夫だよっ！俺がいるからっ！」

赤井はメガネの奥にある大きな目に沢山の涙をためて

流れた

なんで？

他人のことなのに

「赤井も私と同じでお節介なのね…」

でも、それが心地いいんだ

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