四十三話 ページ45
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また次の日になり今、自分の心の声を素直に表すとすれば、
「暇だ」
この一言に掛けると思う。
もうやることなくなっちゃったし、やる気が湧かないし、切国くんがいないから話す相手も少ない。
ひまで暇で仕方がない、というのはこういう気持ちだったのか。
今なら鶴丸さんの気持ちがわかる気がする。
なんなら同じ気持ちだと思う。
…いっその事、鶴丸さんみたいに落し穴堀に行こうか、なんて危ないことを考えながらごろごろする。
まぁ、そんなことする気力もないんですけどね!
と思いながら畳の上を転がっていると、襖の縁をコンコンとノックする音が聞こえてきた。
その音を聞き、寝転んだままじゃ失礼だよねと思い畳に座り身なりを整え、「はい、入っていいよ」と言うと、静かに襖が開いた。
そこには、若干猫背気味の刀剣男士が。
「なーんだ、泉くんなら身なりを整えなくて良かったね」
そういい、また畳にごろんと寝転がると「なんだってなんだにゃ!」と言い返しながら私の隣に座った。
南泉「暇しているだろうと思って様子を見に来てやったのに、それはねぇだろ…」
なんて不貞腐れている南泉くんに「ごめんごめん」と軽く謝りながら「確かに暇していたよ」と肯定した。
「落とし穴を掘ろうかと考えるほどにね」
南泉「やめとけ、この間の鶴丸みたいにはなりたくねーだろ」
そう高速でツッコンできた南泉くんに、先日の縄で縛られた鶴丸さんの姿を思い出し「それもそうだね」と返した。
その記憶の端に亀甲さんが興奮している姿も浮かんできたので、軽く首を振りその光景を消す。
南泉「にしてもお前…」
そう口を開いた泉くんに頭を傾げ、続きを待つ。
南泉「切国がいねぇと随分無気力になっちまうんだにゃ、」
そう言い、また猫の呪いが…!と慌てて口を塞ぐ泉くん。
その様子にくすっとしながらも、私は口を開く。
「…切国くんの前では、しっかりした姿を見せたいからね」
私は(一応)、本歌だから。
そう言うと、泉くんは顰めっ面をした。
南泉「切国は、お前の素の姿も見たいと思ってんじゃねぇの?」
本歌なら尚更、な
そう言い、両腕を組む泉くん。
「…そう言う、ものなのかな」
私がそう言うと、そういうもんだろとまた即答してきた泉くん。
南泉「慕ってる相手なら、どんな姿を見たってなんも思わねーよ」
そう言い、泉くんはふらっと部屋を出ていった。
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みほ(プロフ) - 柚々々澤さん» てぇてぇ気持ちになって頂けて良かったです…!最後までお付き合いありがとうございました! (2021年8月2日 7時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
柚々々澤(プロフ) - とっってもてぇてぇでした…。素敵な作品をありがとうございます…!!更新お疲れ様でした! (2021年8月1日 15時) (レス) id: 178133bf5a (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 青葉さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!!最後までご閲覧ありがとうございました! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 更新お疲れ様でした。とても素敵な作品をありがとうございました! (2021年7月31日 13時) (レス) id: d8f38b547d (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 花の都さん» コメント遅くなって申し訳ありません...!!思いついたものを即興で書いているのでごちゃごちゃしているところがあるかもしれませんが、これからも頑張ります...!! (2021年4月1日 14時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みほ | 作成日時:2019年4月20日 11時