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店から駅までの、低いビルに囲まれた歩道の広い裏通り。
この通りは全部がレンガ調になっていて、少しだけ緑もあって表通りよりもずっとオシャレで可愛いのに人は少ない。
「Aさん？」
名前が聞こえて反射的に前を向くけど、どうやらA違いだったらしい。
嬉しそうに、きっとデートの約束をしている人がいた。
「そう、映画なんだけどさ、うん、Aさん好きだって言ってたでしょ？そうそう」
今にもこぼれそうな笑みで、男の人は声には出さずにガッツポーズをする。
きっとデートの約束をつけられたんだろう。
いいな。
あたしも、こんな風に勝利に誘ってもらえたらなんて考えたら、
きっと誰にも見せられないくらいに顔が赤くなりそう。
ダメだ、あんなことがあった後なのに。
ふとあたしの中であたしが叫んだ。
反省もしてないなんて、あたし最低だ。
あたしが悪いのに、全部あたしの責任なのに、未だに、
勝利が許してくれないかなんて、
明日になったら笑ってくれるんじゃないかなんて、考えてしまう。
目頭が熱くなってきた。じわりじわりと視界が歪む。
袖で涙を拭いて、歩速を速める。
なのにまた、今度はさっきより早く視界が歪む。
「わっ」
足元の段差に気付かず、あたしは大きく転んでバッグは円を描くようにして2mほど先に飛んでいった。
誰だ、上を向いて歩こうなんていったのは。
涙は零れないけど、ますます惨めになるだけじゃない。
「痛い……」
膝をうっすら擦っていて、広い範囲で怪我をしたみたいだ。地味に痛いやつ。
これじゃあお風呂も満足に入れないな。
やだなぁ。
地面が湿る。視界が少し広がった。
でもまたすぐに、視界は歪む。
「そんなに痛いの？」
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南 - 続き楽しみです。更新頑張ってください。 (2017年4月20日 11時) (
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作者名：Mチャワン:| | 作成日時：2017年4月19日 21時
