104.無知 ページ4
岩本side
【ありがとうございました】
〜♪〜〜♪
あーー。やっと買えた。
ほっとしながら覗くレジ袋の中にはみかんのゼリー。
なんで俺がこんな夜中にみかんゼリーを求めて出歩いているのか、それは雫が寝言で呟いた一言が理由だった。
ふっかに襲われそうになったのが相当怖かったのか、
連れて帰ってきても何も話せる状態じゃなくて
ただただ涙を流す彼女を俺はずっと抱きしめた。
しばらくすると泣きつかれて、目を腫らしながらも、
やっと眠ってくれた雫。
そんな彼女がぼそっとつぶやいたのだ、
「…みかん、」
って。その単語を聞いて、俺は雫は昔からみかんゼリーが大好きだったことを思い出した。
だからどうしても弱ってる雫に食べさせてやりたくて
少しでも元気になってほしくて、
コンビニ数軒回ってでも、手に入れたかった。
お陰で少し遅くなったけど、まだ3時だし寝てるでしょ。起きる前に早く帰ろ。
みかんゼリーを落とさないよう大切に両手で抱えて足早に彼女の元へと向かった。
数分して到着した彼女の家。
玄関を開けて、俺は一瞬固まる…。
……これ、誰の靴、？
見覚えのないそれは
明らかに男物のスニーカー。
もちろんさっき家を出た時にはなかった。
ぽわっと頭に浮かぶ幼馴染のアイツの顔。
…嫌な予感がする、。
その予感がどうかあたりせんように。なんて祈りながら、室内に足を進めた。
寝室は少しだけ扉が空いていて、その隙間から雫の啜り泣く声が聞こえてくる。
「…うぅっ、ひっく、」
「雫大丈夫。大丈夫だよ。ゆっくり深呼吸しよっか、」
「…やだ、こわい、の、っ、」
「大丈夫、俺がいるでしょ？もう平気だよ」
「…さくま、ちゅーして、？…んぅっ、ん、」
「さくま、もっと、…、っ、んっ、、」
…っ、なんだよこれ、
あまりの衝撃に大切に抱えてたコンビニの袋を落とした
その物音で二人が振り返って雫は俺を見るなり顔を真っ青にする。
この間の出来事で薄々勘づいてはいた。
普通に話してるだけだったらまだ、気づかないふりできたんだ、けど…こんな確信的なところ見せられたら…
これって…二人は付き合ってるってこと、？
なんで何も言わないの。
…Aは、？
Aはこのこと知ってんの？、
じゃあ、知らなかったのは……おれだけ、？
俺は自分だけ無知だったことに酷く腹が立った。
本当は何も知らない俺が1番が幸せだったのに。
.
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真由(プロフ) - 更新再開してくださって嬉しいです！！めっちゃ楽しみにしてます！無理しないでいいのでゆっくり待ってます！ (2022年5月16日 10時) (
レス) @page50 id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 更新再開してくださって本当に本当に嬉しいです！！続きが読めることが幸せでしかないです。これからも作者さんのペースで頑張ってください！ (2022年5月16日 4時) (レス) @page50 id: cf1a17e7dd (このIDを非表示/違反報告)
イブ(プロフ) - 更新ありがとうございます。又楽しみに待ってます。 (2022年5月15日 9時) (レス) @page49 id: d7ecb85cf0 (このIDを非表示/違反報告)
音彩(プロフ) - 更新して頂き有難うございます！私が１番楽しみにしている作品なので、また物語が進んで嬉しいです！お忙しいのかと思いますが、少しずつでいいのでいつか完結してこの物語を読み切る日を楽しみにしています！応援しています！ (2022年5月14日 23時) (レス) @page49 id: 81d02fafe5 (このIDを非表示/違反報告)
kaaa54(プロフ) - 一気に読んでしまいました・・・更新楽しみにしています (2022年4月15日 21時) (レス) @page48 id: fc5b39cb10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまくん
| 作成日時：2021年10月2日 9時
