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佐久間side
今まで通りただの幼馴染に戻ったんだ。
「…はぁっ、、」
その事実に呼吸が荒くなった。
こんなに辛いのに泣きたいのに、
やっぱり泣けない。
苦しくて、壊れそうでたすけてほしくて、
「……っ、A、」
気がつけばスマホを開いて、彼女の名前をタップしていた。
______プルルルっ、
「…っ、」
________プルルルっ
「…っ、なんで、」
_______プルルルル、
…なんで、出ないんだよ、っ、、
Aが俺の電話に出ないなんて、
留守番電話になるなんてこれが初めてのことだった。
仕事中でも彼女は俺からの電話に気づくと、席を外してでも必ず出てくれた。
繋がらなくてもすぐに折り返してくれる。
電話に出た彼女は何を聞くわけでもなく、
「さくま、お家いってもいい？」っていつも俺のところに来てくれた。ずっとそばにいてくれた。
なのになんで今日は出てくれないの、
A…っ、
「…っ、A、たすけて、」
何度も彼女の名前を呼びながらリダイアルするけど一向に彼女が出る様子はなくて静かなリビングに機械音だけが響き渡る。
…お願い、出てよ、っ、
苦しくて、苦しくて、左胸を押さえながら悶えた瞬間
ぱさっと落ちたブランケットからほのかに香った暖かくて優しい匂い。
「……っ、！」
______それは紛れもなくAの匂いだった。
彼女を抱きしめたときに香るあの安心する心地いい香り
俺は、床を這いつくばりながら、必死に手を伸ばして
微かに残った彼女の残香に縋るようにブランケットをぎゅっと抱きしめた。
「……A、っ、」
するとさっきまでどうやっても泣けなかったのに、
それを抱きしめて彼女の香りをかいだとたん、
まるでそれが嘘かのように目から涙がポロポロ零れ落ちる
「…うっ、うぅ、」
しばらく涙を流し続けると辛い気持ちがふわっと軽くなって、ゆっくり呼吸が落ち着いた。
Aのおかげでやっと流せた涙。
この涙は全然苦しいものなんかじゃなくて、
なんて言うか、彼女を感じてホッとするような、
安心しするような、…そんなあったかい涙だった。
その後泣き疲れた俺は、
「……A、」
そのままAのブランケットを握りしめて目を閉じる。
瞼の裏に「さくまぁ〜」って微笑む彼女の顔がふと思い浮かんで、
「…あい、…たい、」
意識が遠のく直前俺は無意識にそう呟いていた。
.
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真由(プロフ) - 更新再開してくださって嬉しいです！！めっちゃ楽しみにしてます！無理しないでいいのでゆっくり待ってます！ (2022年5月16日 10時) (
レス) @page50 id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 更新再開してくださって本当に本当に嬉しいです！！続きが読めることが幸せでしかないです。これからも作者さんのペースで頑張ってください！ (2022年5月16日 4時) (レス) @page50 id: cf1a17e7dd (このIDを非表示/違反報告)
イブ(プロフ) - 更新ありがとうございます。又楽しみに待ってます。 (2022年5月15日 9時) (レス) @page49 id: d7ecb85cf0 (このIDを非表示/違反報告)
音彩(プロフ) - 更新して頂き有難うございます！私が１番楽しみにしている作品なので、また物語が進んで嬉しいです！お忙しいのかと思いますが、少しずつでいいのでいつか完結してこの物語を読み切る日を楽しみにしています！応援しています！ (2022年5月14日 23時) (レス) @page49 id: 81d02fafe5 (このIDを非表示/違反報告)
kaaa54(プロフ) - 一気に読んでしまいました・・・更新楽しみにしています (2022年4月15日 21時) (レス) @page48 id: fc5b39cb10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまくん
| 作成日時：2021年10月2日 9時
