116. 踴る ページ16
Aside
______ガチャ
鍵はどういうわけか空いていた。
「いらっしゃいA。遅かったね。」
ゆっくり扉を開けると目の前に立っていたアイツは、
まるで私が今日やってくことを知ってたのかのごとくそう言い放つ。
「うわ、てかびっちゃびちゃじゃん。きったねぇー」
______びくっ、
自分でこの扉を開いたくせに、
触れられると身体が拒否反応を起こしてガタガタ震える
逃げたいのに、逃げたくない。
「んは、ビビってんの？震えちゃってかぁいー。」
気持ち悪いのに
この手を払いのけることができない。
あれ…本当の私の感情ってどっちだっ、け、？
なんてぼーっとしている私の頬を
「…で？Aちゃんは俺になんのよう？わら」
『……、』
もしもーし。きいてる？そう言いながら彼の両手が包みこんだ。
何故かこぼれ落ちる涙。
『うぅ、っ、…ひっく、』
それが恐怖なのか、なんなのかわからない。
とにかくそれを皮切りにさっきの比じゃない量の涙が溢れた。
彼はその涙を決して拭ってはくれなくて、
そればかりか、そんな私を見て楽しそうに笑った。
『っふぇ…ひっく、』
「ねぇー泣いてちゃわかんないよ？どーしたの？
あ〜〜ごめん。質問が違うか？」
Aちゃんはどー
親指が頬からスルッと下に降りきて、
「どうしたいかちゃんと自分のココで言って？」
ツーっと私の唇を優しくなぞる。
…どうした、い、
「俺の言ってること、Aちゃん賢いから分かるよね」
『…いつ、もの、やつ、』
「そう。いつものやつ。
Aちゃんそのかぁいいお口で、いつもみたいに俺をおねだりして？…できるでしょ？」
私は少しでも楽になりたくて
その問いかけに何も考えず__こくん。と頷いた。
…なにもしらないふりして早く言ってしまおう、
…何かを思い出す前にはやく、。
それなのに、
『…たつや、ぎ「あー！わかってると思うけどぉ、」
言いかけた次の瞬間、彼の口角がぐいっと上がって
「それを言うってことはつまり、憎くてたまらない俺に自分から縋るって事だからね？わら」
いまから私が言おうとしていることの意味を突きつけた。
わざ、とだ、…っ、
彼は少しでも私が楽になることを許してくれないみたい
その証拠に、思い出したくもない
地獄のような日々が頭の中でぐるぐる巡る。
.
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真由(プロフ) - 更新再開してくださって嬉しいです！！めっちゃ楽しみにしてます！無理しないでいいのでゆっくり待ってます！ (2022年5月16日 10時) (
レス) @page50 id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 更新再開してくださって本当に本当に嬉しいです！！続きが読めることが幸せでしかないです。これからも作者さんのペースで頑張ってください！ (2022年5月16日 4時) (レス) @page50 id: cf1a17e7dd (このIDを非表示/違反報告)
イブ(プロフ) - 更新ありがとうございます。又楽しみに待ってます。 (2022年5月15日 9時) (レス) @page49 id: d7ecb85cf0 (このIDを非表示/違反報告)
音彩(プロフ) - 更新して頂き有難うございます！私が１番楽しみにしている作品なので、また物語が進んで嬉しいです！お忙しいのかと思いますが、少しずつでいいのでいつか完結してこの物語を読み切る日を楽しみにしています！応援しています！ (2022年5月14日 23時) (レス) @page49 id: 81d02fafe5 (このIDを非表示/違反報告)
kaaa54(プロフ) - 一気に読んでしまいました・・・更新楽しみにしています (2022年4月15日 21時) (レス) @page48 id: fc5b39cb10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまくん
| 作成日時：2021年10月2日 9時
