# ページ2
バーデンダーは最初から分かったように決められた動作でカクテルを作り始める。
彼女は周りを見渡す。店内が地下にあるためかあるはずである窓がなく店内をてらすのは唯一の光であるランプだけ。そのためか仄暗く雰囲気のよい店である。
机は大理石で作られており彼女は指を操るように大理石の上に己の指を滑らせた。
「君、またそれかい？」
男は彼女の手中にあるカクテルに目線を与え、女性に声をかけた。
「別にいいじゃない。好きなのよ」
彼女が勢いよく喉にお酒を通せばほんの少しとなってしまった。氷が回り店内に音を響かせる。
「最近はどうなのよ」
葉巻の先端に火が着火し、彼女の口から煙が吐き出された。水上を揺蕩うように揺れ動く煙を意味もなくみつめる。足を組み天へとのぼっていく煙に一瞥を与え、流れる動作で灰皿に葉巻を置けば火は姿を消す。
「最近？」
「ええ」
「最近か……」
男は口唇に親指を当て、分かりやすく沈思黙考した。沈黙が走り、男は伏せていやまつ毛を動かした。
「ああ、そういや天才にあったな」
男が言えば彼女は分かりやすくその綺麗な顔を歪な形に崩した。「天才？」男に問うように放つ。男は一度頷き、そして口を開いた。
「そうだ。
男はまるで劇をするように拳銃を拳銃ホルダーから抜き取る。そして銃を構え銃が空を叩くときのように効果音を口にする。「凄かったなぁ」面白おかし気に笑う男はまるで玩具でも手に入れた幼子のようである。
彼女は男から目線を外し、動かした。ランプ、大理石、一つ一つ視線を這わせる。一度瞬きグラスの持ち手に指を滑り込ませ傾ける。喉全体に熱さが広がりアルコール臭い。喉仏が上下に動く。グラスを一度置き、男に視線を当てる。彼女と男の視線が交わると男はくつくつと喉を鳴らし目をうっすらと細めた。
「もしあんたとその俺が見た天才と敵対することになったらどうする？」
男は彼女に純粋な疑問をぶつけた。彼女は何も言わず、悩む素振りもしなかった。
「……もう行くわ」
大理石の上には飲みかけの鮮やかな色の飲み物が揺蕩う。乱暴に大理石に五万円とお釣りが返ってくるであろう大金を叩きつける。
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双黒尊い…(プロフ) - 正義の味方になりたかった男さん» コメントありがとうございます！はい！私は、小説をかくなら本格的に書いていきたい派なので！ちょっと読みずらいかもしれませんが(笑) (2020年2月7日 19時) (
レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
正義の味方になりたかった男(プロフ) - うぉーー！縦書き！本格的だね (2020年2月7日 19時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
双黒尊い…(プロフ) - 湊真さん» ありがとうございます！わたしもこんなCSS見たときは感動を覚えましたよ！更新頑張らせて頂きます！ (2020年2月7日 16時) (レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
湊真(プロフ) - こんなＣＳＳ初めて見ました・・・！！物凄く面白いです！！更新待ってます！！ (2020年2月7日 8時) (レス) id: e706ac4195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双黒尊い… | 作成日時：2020年2月6日 18時
