ラヴ・ポイズンミント 〈Yuto.N〉

レッドサイダー（１）◆◇◆ ページ34

裕翔side





間近で見るAは更に綺麗で華麗で。




ほんとに俺の幼馴染みなのか、と疑うほどに美しい




思えば小さい頃からAはモテていた。


.....ただ、本人が気づいていないだけで。





今さっきした俺の質問に、顔を赤らめて俯くAを見れば、すぐに分かる。




....今、好きな人がいるってことくらい。






『....ぃ....す』





裕翔「え？｣




『い、いますっ』




Aがそう言えば一気にザワつく体育館内


そりゃそうだ。マドンナだもん。


狙ってるやつは大勢いたはず。






.....俺もその1人なんだけど。





裕翔「そっか、｣




俺はその一言しか言えなかった。



.....Aが俺のこと好きだったらな、なんて淡い期待をしていた俺はバカだったんだ。






裕翔「...両想いになるといいね。｣




俺がそう言えば、Aは寂しそうに、苦しそうに俯く





『.....バカゆーと。』



マイクにも入らない、司会者にも聞こえないような小さな小さな声でAは呟いた。







その瞬間､俺の中で何かがキレた。









｢きゃぁぁぁぁ！！！！！｣






会場の大きな歓声の中






気づいたら俺はAを抱きしめていた。




別にAに好きな人が居ても構わない。



俺はコイツが、Aが、世界で一番好きだから。


笑った顔も
怒った顔も
泣いてる顔も
困った顔も



誰よりも見てきてるのは、幼馴染みの俺なんだよ。




仲が悪かった時のことなんてもう過去のこと｡




俺はどうしようもないくらいAが好きだ。





そんな思いでぎゅっとAを抱きしめた。


儚く美しい彼女を壊さないように、そっと。







裕翔「...俺、Aのことが好きです。｣




抱きしめたままの体制だから、Aの顔は見えないけれど、チラリと見えた耳は真っ赤に染まっていた。






裕翔「..Aさん、僕のそばにいて下さい。｣







『っ....裕翔っ、くるし、』





公開告白してしまったことの恥ずかしさとAへの愛おしいさで、ぎゅーっとしてしまっていた手を解いて、少し離れる。





ちらっと顔を覗けば、Aは目に涙をたっぷり溜めていて






裕翔「あ、ごめっ、俺なんかしちゃった？｣






『ううんっ、違くて。。
....私なんかがそばにいても、いいの？』





裕翔「Aがいいの。Aじゃなきゃダメなの。｣





『.....ふふっ、裕翔。私もすきです。』



Aの目から一粒の涙か零れ落ちた

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