ラヴ・ポイズンミント 〈Yuto.N〉

（４） ページ22

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2人で誰も使っていない教室にはいる






『...なんかドキドキするね、サボっちゃったよ。』






侑李「....Aちゃんは実行委員だもんね。
僕は毎年何回かサボってるよ。」






『うそ、去年気づかなかったよ！』





侑李「そりゃ、気づかれちゃまずいでしょ。」




知念くんはそう言いながら、ふふふと笑った。




なんか小動物みたいに目はきゅるるんってしてるけど、よく見たら肩幅とか結構がっちりしてるんだなぁ、と感心してしまう







侑李「...Aちゃんはさ、なんでヒカと新木さんの事応援してるの？」






『....私ね光と中学から一緒なの。
光は私が困ってると助けてくれるヒーローだったんだ。

...恋バナなんかしたりしてさ、光、どうにかして私とその人くっつけようとしてくれて。

それが嬉しかったんだよね。だから私も光の力になりたいの。』





知念くんは私の目をじっと見つめると、きゅっと口角を上げた





侑李「.....で、その人と今付き合ってんの？」





『え、』





侑李「だーかーら、その、ヒカがくっつけようとした人！！」





『あぁ、その人とは当時仲良くなかったから。
今も、別に何ともないよ。』






「仲悪い人のこと好きになるなんて珍しい」なんて言いながら知念くんは口を尖らせた






『知念くんは？彼女とか居ないの？』





侑李「....僕は恋愛に興味がないんだ。

あ、でもね、人の恋愛話聞くのは好きだよ。」







『ふふ、なにそれ。面白いね知念くん。』






侑李「....変だねってよく言われるけど面白いは初めてだ。
だからね、Aちゃんも僕に教えてよね、恋愛話。

....僕が笑って聞いてあげる。」






あえて、相談に乗ってあげる、と言わないのは少し不器用な知念くんの優しさだろう。






『ありがとね、知念くん』




私がお礼を言うと、ぷいっと反対を向いたけれどその耳が赤かったのは気付かないふりしとこう。






？「あー、ペンキ重てぇ....。」





突然、廊下からそんな声が聞こえてきた






？「A〜、青城ちゃーん。

重いよ〜」





やば、大ちゃんにペンキ頼んだんだった。







侑李「男のクセに。」






『...そろそろ戻ろっか。』





ガラガラと扉を開ければ教室の前でペンキを引きずってる大ちゃんの姿






大貴「お、A〜！知念も！

手伝って、ね？」





大ちゃんを少し睨む知念くんと共にペンキを持ち、自分のクラスへと向かった。

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