検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:25,134 hit

52話 ページ23

キド「飯が冷める……」

「サーセン団長」
シン「…わりい」



席についてもなお、ぐちぐち言われてもへこたれずにへらへらしているA。
オレも流れでそっとAの隣に座る。

カノがAの顔を覗き込んだ。
驚いたように顔を遠ざけるA。



カノ「A君ってさ、パーカーのフードとらないよね」
シン「…!」


漸く付けた腰を反射的に上げる。
確かに、Aがフードを取ったとこなんて、小学校の低学年だったか辺りから見たことが無い。


一度、一度だけ取ろうとしたことがあった。大した感情なんて無く、興味で。



その時見えたAの顔は、今でも身がよだつほど覚えている。
いや、表情はよく覚えていないけれど、纏う雰囲気が体にこびりついて離れない。

本気で、雰囲気だけで、嫌だと叫んでいた。



それ以来、自然とその話題は避けていた。

カノに言われ、Aは確実に戸惑っていた。


「…お、おお。まあ、な?どうしたんだよ急に」
カノ「いや〜?ちょっとどんな顔してるのかなぁって思っただけだよ。んで…」





「言っとくけど、取らねえからな?」






恐らく、カノは取らないのかとでも聞く気だったのだろう。

けれど、有無を言わさぬ迫力にカノは、いやその場が凍り付いた。
普段のヘラりとした雰囲気は無く、端的でも、凍てつくような声で。


誰もが、食事の手を止め、固まった。




シン「…っだ、誰も取れとは言ってないぜ?落ち着け…」


我ながら声が震えている。
なるべく角の無い言葉を選び、Aの背に手を回しながら話しかける。
ハッとしたようにオレを見て、再びヘラりとした雰囲気を作り出す。




「あ、ああ。そうだよな!わりいわりいっ」




そう言ってオレの頭をわしわしと撫でつける。
撫でられんのは嫌いじゃねえけど…今はそんなに気持ちよく感じられなかった。

53話→←51話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:カゲプロ , シンタロー , 男主   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

彌涅@プロフ見(プロフ) - うさたんさん» いえいえw頑張りますぜい! (2017年6月10日 22時) (レス) id: af08178a2e (このIDを非表示/違反報告)
うさたん(プロフ) - あ…ああありがとうございます!!!なんか忙しそうなのにリクエストしてすみません… (2017年6月10日 18時) (レス) id: 63f645a354 (このIDを非表示/違反報告)
彌涅@プロフ見(プロフ) - うさたんさん» 驚くほどグダグダですが始めました() (2017年6月9日 23時) (レス) id: af08178a2e (このIDを非表示/違反報告)
彌涅@プロフ見(プロフ) - ありがとうございます! (2017年6月7日 23時) (レス) id: af08178a2e (このIDを非表示/違反報告)
うさたん(プロフ) - おぉぉ…話がどんどん進んでいきますね!!執筆頑張ってください!!! (2017年6月7日 7時) (レス) id: 63f645a354 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ネット中毒少女 | 作者ホームページ:http://KhKom/ol45  
作成日時:2017年5月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。